我が社は社会に何を約束するのか?これが問われる時代です。
商品やサービスの性能やメリット、他社の製品に対しての差別化ポイント。これらが大切だと思っておりました。各社が、これをわかりやすく伝えることがマーケティングの重要事項として血道をあげていますね。
『でも、本当に消費者が知りたいのは、その会社から商品やサービスを買うことが、社会にどう影響するか?ということなんです。だから選ばれる理由は、商品サービスの優位性も大事だけど、会社が社会に何を約束しているか?が大切です。』と、ある方に教えられました。
なるほど。これは社長である私が考えること。そして、今までの我が社の歩み、そして私自身の価値観から答えを出さないといけません。そこで、我が社の持っている特徴を書き出してみました。
①地域の木材の利用(これはかなりの投資をしてかなりの技術があります)
②大工の育成、社員大工
③リフォームを通しての住宅メンテナンス技術
④設計力(カッコいいだけではダメ、“乙”な良さが必要という考え方)
これらは地域への“恩返しと、業界への恩送り”の思いが元になっています。
我々の西播磨地域の主要産業は、明治〜昭和初期は養蚕が主流でした。戦中戦後は薪炭(エネルギー)と製材(建築用材)に変わり、その後は大工技術が主要産業でした。
25年前にリフォームで加古川に進出したころよく言われたのが、『宍粟はええ大工さんが多いから安心やわ』という言葉。私たちの30年先輩たちの頑張りが、そのような評判を残して、現在のご注文につながっている!と思ったものです。
それに、今私どもが使っている建築用材などは、最低60年くらいの時間を経て使えるようになったものなので、その間に森林を育ててきた先輩方のお陰です。そうして日本の国自体の木を植える文化は、縄文時代から続く生活習慣の中で作り上げられたものです。
こう考えたら、今、私たちが家づくりの仕事をさせていただけるのは、ただの偶然ではなく、時代時代の先輩たちや、この国の文化が奇跡的にあいまってできること。
これは先人に残してもらった材と評判に感謝しつつ、この地域の自然環境と産業への恩返しと、業界への恩送りをしないといけない。なので、ヤマヒロの社会への約束は、しそうの杉としそうの大工のブランド化です。
ただの流行りではなく、長く愛されるデザインの家を、地元の木材と職人の確かな技術で作り上げて、見守り続ける。そんな会社にして参ります。