住宅を設計する上で、大事にしていること⑤

公開日:2024年12月08日　最終更新日:2024年12月08日

設計の中村です。

建築を学びはじめから

20年になります。

これまで200棟の住宅の設計に携わらせていただきました。その貴重な経験の中で得た住宅設計における考え方や大事にしていることを整理していこうと思います。

建築は、考えなければならない要素が非常に多く、複雑でなかなか一言では言い表せないものです。これから住宅を建てられる方や建築に興味がある方へこの複雑な要素を分解しながらお伝えすることで、建築のおもしろさや住宅のおもしろさ、そしてより良い暮らしを実現していただくためにお伝え出来ればと思います。

今回は、その第５弾です。

過去の記事は、こちら。

夢を叶えるのではなく、夢を描ける家づくり。

建主の思いやご要望は、すべて聞くことにしている。その方の住まいをつくるので、当たり前である。しかし、その思いやご要望を叶える家づくりをすると、家が建った時がピークとなってしまう。家は、暮らしながら、豊かな時間を積み重ね、どんどん良くなっていかなければならない。つまり夢を叶えるのでなく、暮らしながら夢を描きワクワクし続けられる家でないといけないのではないかと思う。季節や家族の成長に合わせて、「こんな過ごし方もできる！」とか「こんなことしたいな！」とか暮らしながら発見していくことが、大事なのではないか。ある建主さんにもこんな言葉もいただいたことがある。「家ってこんなにワクワクするんや。」「こんなに想像力を掻き立てられる家があるんや。」若輩者ながらとても嬉しかった。いまだに忘れることがない。この言葉があるからこそ、これまで住宅の設計を追求し続けることができたと思っている。