住宅を設計する上で、大事にしていること③

公開日:2024年12月01日　最終更新日:2024年12月03日

設計の中村です。

建築を学びはじめから

２０年になります。

これまで200棟の住宅の設計に携わらせていただきました。その貴重な経験の中で得た住宅設計における考え方や大事にしていることを整理していこうと思います。

建築は、考えなければならない要素が非常に多く、複雑でなかなか一言では言い表せないものです。これから住宅を建てられる方や建築に興味がある方へこの複雑な要素を分解しながらお伝えすることで、建築のおもしろさや住宅のおもしろさ、そしてより良い暮らしを実現していただくためにお伝え出来ればと思います。

今回は、その第３弾です。

過去の記事は、こちら。

第１弾『自然に向き合える家』

第２弾『骨と筋肉』

心地よさと快適さ

まずは自然と上手に付き合うことからはじめたい。最初から過度な設備や断熱などといった力技で、快適さを追求するとどうしても心地よさが失われる。まずは、夏の日射は遮り、冬は日射を取得する。そして、素材による蓄熱や湿度調整、風通しや樹木による木蔭を使いながら、家の快適さと同時に心地よさをつくるものでなければならない。自然と上手に付き合い、足りない部分を設備や断熱、気密で補っていくという順序が大切である。この順序を間違うと、外部の温熱環境から身を守るだけで、その先の豊かなゆとりある暮らしは生まれないのである。

つづく。