昔、PTAで出会ったパパ友さん。下関出身で、ご夫婦でこちらに越してきた方。『ここら辺でどこかお出かけするのにおススメのところない?』と聞かれ、『この辺は特に大したものがないですからね』といったところ、『いろいろ転勤したけど、どこの人たちもみんな同じことを言うんですよね。でも、私たち他所の生まれのものから言えば、こんなすごいものがあるのに?ということが多いんですよ。例えばこの辺だと、〇〇や△△なんかはすごいですよね』と返されました。その2つはわたしも知らない、この辺の隠れた名店やスポットでした。
そういえば、こんなこともありました。30代にお世話になっていた青年会議所の全国大会。『全国から1万人以上の会員が姫路に集まる。この機会に姫路をPRしよう。でも何を打ち出すのか?姫路は城と祭りくらいしかないからなぁ』こんな議論がよくされていました。いやいや。城といっても世界遺産で、建てられてから変わらず残っている最大の木造の城で、しかも白い漆喰塗りの平城でっせ。歴史的に大きな意味があるでしょう。それに祭がこれだけ多く、盛大に行われているにも深い訳があるんと違いますか?というふうに今なら思うのですが・・・。
人間は、近くにあるものや、手に入れたものには大して価値を見出さない。とにかく自分にないものをねだって、できないことを悔しがる。それよりも、自分にしかできないこと、長所、この地域にしかないもの。そんなものが必ずあります。それを見つけて活かすことが何よりも大切なことなのに・・・。
こんな絵本がありました。『もし世界が100人の村だったら』
もし世界が100人の村だったら、52人が女性で 48人が男性です 30人が子どもで 70人が大人です そのうち7人がお年寄りです
70人が有色人種で30人が白人です 61人がアジア人 13人がアフリカ人 13人が南北アメリカ人 12人がヨーロッパ人 あとは南太平洋地域の人です
33人がキリスト教 19人がイスラム教 13人がヒンドゥー教 6人が仏教を信じています
5人は、木や石など、すべての自然に霊魂があると信じています 24人は無宗教です
〜 中 略 〜
村に住む人びとの100人のうち20人は栄養がじゅうぶんではなく 1人は死にそうなほど、
しかし15人は太り過ぎです
すべての富のうち59%を6人がもっていて、それはみんなアメリカ人です
39%を74人が 残りのたったの2%を20人が分けあっています
すべてのエネルギーのうち20人が80%を使い 80人が20%を分けあっています
75人は食べ物の蓄えがあり雨露をしのぐところがありますが、あとの25人はそうではありません
17人は、きれいで安全な水を飲めません
銀行に預金があり 財布にお金があり 家のどこかに小銭が転がっている人は いちばん豊かな8人のうちの1人です 自分の車をもっている人は豊かな7人のうちの1人です
村人のうち1人が大学の教育を受け 2人がコンピューターをもっていますが、14人は文字すら読めません
そもそも日本に生まれて、現在、日本に住んでいること自体が奇跡的にラッキーであることも自覚していない。日本の国籍を持ち、日本のパスポートがあれば、他国の人では行けないところに行けたり、できないこともできたりと、かなりの優遇があるとか。
比較的、安全な社会があって、整備された道路があって、海や山からの恵みもある。世界一古い歴史と、それに見合った古い会社や技術もそろっている。しかも、これらには、商売のパートナーとして、お互いに協力し合える商売上の常識、道徳がある。
それもこれも、先人の積み重ねた努力と親切と良心の結果です。これを活かすことができる今の自分にすら気づかず、不平不満とないものねだり。そんなことでは、幸せや成功に辿り着けません。
ウチが、地元の木材を使い、地元の大工での建築にこだわるのは、環境や文化保守などの小理屈をつけたりすることもあるのですが、実は案外、こんな単純な理由なんだと思います。