今の家造りは、大工さんが、『 建てる 』と言うよりは、加工されたモノを『 組立てる 』の方が、わかりやすい表現になるかも知れません。
それは簡略化ではありません。構造的な事、性能的な事、コスト的な事など総合的に判断されて、今がある訳で、むしろ合理化がふさわしいかも知れません。
現代は、まず製材技術が進化して真四角の材料が、製材する事によって割と簡単に入手できますが、少し前(昭和初期以前)だと、四角い材料を入手するのも大変な事だったと思われます。
更に真四角に削り上げた、綺麗な木材を、機械によってミリ単位の誤差も無く加工(プレカット=機械加工)されて現場へ届きます。
それを建てる訳ですから、『 組立てる 』と言う事になります。
その昔の時代は、大工さんが材料を『 真四角 』に削ったり、また丸太の状態のまま使用しています。
丸太と丸太を組み合わせて建てているのですが、単純に重ねて組んでいる様で、そうではありません。全て基準の高さからの上り(アガリ)、下り(サガリ)を『 差金 』(サシガネ)だけで墨をして仕口(材と材の取り付く所)を加工します。四角いモノに丸いモノが取り付くだけでも難しいのですが、丸いモノに丸いモノが取り付いています。
この状態をいつも目にする度に、『 匠の技術 』ってすごい技術だと思います。