既設の建物を改修(リノベーション)する場合に、何処までやるべきか? 何をするべきか? と悩む内容の中に、補強方法、補強程度があります。
古い建物は、当然現在の建築基準法に則っとって、建てられているはずも無く、ましてや現行法が当てはまる構造でもありません。
まずは、足元ですが、現在はコンクリート造の基礎が存在しています。が、築60~70年くらいの以前に建てられた建物は、『石端建て』による構造となっています。(基礎はありません)
これは、河原で調達したであろういわゆる『石』の上に、直接柱が建っている工法になります。現在でもお寺の柱とか、特別な建物は、時々見れることがあります。
『石端建て』は、劣化状態が進んでいることが多く、白蟻さんの被害を受けやすく、受けている場合がほとんどです。
全てではありませんが、まず地面と柱の距離を取るためにもブロックにて柱を受けてやります。ブロックは、補強の為では無く、あくまでも地面との距離確保のための施策となります。
その際『根がらみ』材を土台として新しく設置します。
この『根がらみ』材は、柱間隔を決める大切な構造材ですが、地震力などに対して、柱間隔を確保し、柱脚がバラバラにならない様に柱間を決めています。
まずは、柱脚をしっかりさせる事が大事だと思います。 固定する場所、方法は都度、現場に合わせて適切な方法を採用します。
大きな荷重(建物の重量)を受け持っている柱(大黒柱など)は、『石端建て』にて保存できるようにしています。 全部補強では無く、何事もバランスが大切だと思うからです。