こんにちは、設計の玉中です。
前回紹介した『体験レストラン Aima』とセットで紹介したい
施設があるので、今回はそちらを記事にします。
前回記事『体験レストラン Aima』はコチラ
施設の名前は『だものみち』
『体験レストラン Aima』と同じ和歌山県那智勝浦町の色川地区にある
ジビエの解体処理施設です。
外観はこんな感じ
色川地区は全方位を山に囲まれた農村地域。
農林水産省の呼びかけで出来た「棚田カード」にも選定されている
『小阪の棚田』をはじめ、お米や野菜を自給している家庭も沢山ある、
農業とともに生きている集落です。
そんな中で問題になるのは鹿・猪などの獣害について。
農作物への被害や寄生虫への対策等を考慮すると、
山村地域では数が増えすぎた動物は駆除するしかないというのが現実です。
しかし、せっかくの命なので無駄には出来ないという意見のもと、
色川地区では解体・処理・販売を行うための施設を立ち上げることになり、
地元で猟師をしている方を中心に協力者が集って2020年に完成しました。
猟師さんから獲れたと連絡を受けて現場へ急行、1頭をそのまま引き取ります。
元々ジビエ、特に鹿肉はフランス料理などでは高級食材として扱われており、
高たんぱくで低カロリーなのでローストや煮込み料理にはピッタリ。
『だものみち』で解体・処理したジビエは
年に1kg程度×4回を郵送する「山肉(不)定期便」や
近隣飲食店への卸が中心となって販売をしています。
それ以外にも「山肉山分けツアー」や「狩猟体験ツアー」などの
イベントも季節に合わせて開催しています。
特に「狩猟体験ツアー」では農山村地域のリアルなお話を聞いたり、
ジビエの捕獲(罠猟)から解体、そして食すまでの1連の流れを体験できます。
獣害が苦しいから駆除する。だけではなく、
地域の中で循環する自然の恵みを資源として感じることができ、
昨今のジビエブームにも後押しされてその循環の輪が地域外へと広がりつつあります。
け「だもの」との共存を目指すも今は「みち」半ば
そんな想いから名付けられた施設の代表を務めるのは
『体験レストラン Aima』もそうですが私と同年代の方。
今後も応援したいと思います。
実施積算課 玉中健太