こんにちは、設計の玉中です。
11/8に閣議決定された三省合同省エネ補助金の速報、
今回がラストになります。
他の補助金は下のリンクから過去記事をご覧ください。
『こどもエコすまい支援事業』
『給湯省エネ補助金』
ラストとなる今回ご紹介するのは
『経産省:住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業』並びに『環境省:断熱窓への改修促進等による家庭部門の省エネ・省CO2加速化支援事業』です。
2つセットな上に両方が無駄に長いです。
内容は後述しますが、先進的設備導入なんて名前が付いているのに
対象となっているのはリフォームで「断熱窓への改修」のみです。
ここでは公式HPで表示されている名前『先進的窓リノベ事業』と呼びます。
しかし侮るなかれ、最大補助額は3つの中で最大となっています!
1. 本制度の特徴
本制度『先進的窓リノベ事業』の特徴は大きく2点、
①改修工事(リフォーム)のみが対象で新築はNGとなる
②一定以上の性能を持つ窓のみが対象で、性能グレードとサイズで金額が決まる
です。
貰える補助額は性能グレードとサイズによって1ヶ所当たり幾らと決められていて、
それが何か所分あるかで積み重ねていく方式となります。
先日募集が終わった『こどもみらい』や
三省合同の1つで一緒に始まった『こどもエコすまい』と同じですね。
しかし、貰える補助額が大きく異なります。
貰える補助額はなんと!
最大で200万円です。
もちろん最大が200万円なだけで、
上限まで到達するような大きい工事は戸建て住宅ではほとんど無いと思いますが、
他の補助金だと新築のZEH基準で100万円とかなので、大盤振る舞いですね。
①は文章そのままなので、②について詳しく見ていきます。
2. 補助対象と補助額について
対象となる性能について、戸建て住宅の場合は工法に限らず
最低限の性能がUw1.9以下となっています。
また、性能のグレード分けとサイズのランク分けは以下の表となります。
サイズのランク分けについては『こどもエコすまい』と同じです。
内窓設置や外窓交換はフレーム単位で1ヶ所ごととして数えて、
ガラス交換だけは枚数で計算するのも共通の設定です。
重要なのは性能のグレードの方ですね。
新築でよく使用しているYKK APの『APW330』という樹脂サッシのシリーズを例にすると、
Low-E複層ガラスのアルゴンガス入り、樹脂スペーサー仕様の引違い窓で
中くらいサイズの場合、Uw=1.36となっています。
表の性能グレードで言うとSグレードになりますので、
外窓交換でこのサッシを使うと92,000円/ヶ所となりますね。
『こどもエコすまい』だと性能のグレード分けが2種類ありますが、
同じ中くらいサイズだと高い性能の方でも24,000円/ヶ所なので、
同じサッシの導入でも4倍近い補助金を貰えることが分かります。
これは大きい!
『こどもエコすまい』の2種類あるグレードの内、
姫路近辺なら高い方の性能でもUw2.3以下と決められていますので、
最低でもUw1.9以下を求める本制度は活用するためのハードルがやや高いですが、
その分リターンも凄い!という制度だと分かりました。
3. 申請期間について
本制度の申請期間などはワンストップ申請が予定されている
『こどもエコすまい』・『給湯省エネ補助金』と同じで
2022年11月8日以降の工事請負契約
2022年12月中旬予定の事務局開設以降の着工
2023年12月31日までに完工&交付申請
となっています。
来年末までと十分な期間があるように思えますが、
『こどもみらい』は予算枠が無くなって予定期限よりも4ヶ月も早く
申請が打ち切られてしまったので、楽観しすぎるのも良くないですね。
また、性能の高い窓は現場で加工することが難しい構造になっていて、
工場で特寸サイズにしてから現場に持って来ることが多いです。
注文してから工事を実施するまでの期間に余裕を見ておくことも重要です。
いかがだったでしょうか?
『こどもエコすまい』だけなら
「今までもほぼ毎年あった国交省の補助金がまた始まるな」
くらいの印象だったかもしれないです。
しかし今回は国交省・経産省・環境省の三省合同で
3つの補助金をワンストップで申請出来るという、新たな施策となりました。
今はまだ閣議決定された段階の速報記事となっており、
12月中旬に予定されている事務局開設がなされたら
追加の資料が出てくると思いますので、
新情報などがあればまた紹介したいと思います。
『住宅エコリフォーム推進事業』の紹介が途中になったままなのですが、
この制度よりも新しく始まる三省合同補助金の方が魅力的で(笑)
速報ながら先に紹介をしてしまいました。
元々申請期限が厳しかったのに①を記事にしてから1ヶ月以上も
経っているので「もう要らないかな?」と思ったりもしますが、、、
一応来年度も継続されるという噂も耳にしたので、
三省合同補助金との比較も含めて『②補助金額計算編』は
近い内に書き上げたいと思います。
実施積算課 玉中健太