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こどもみらい住宅支援事業④

こんにちは、設計の玉中です。

補助金『こどもみらい住宅支援事業』の紹介記事も4回目になります。
3/28から交付申請も始まり、いよいよ本格的に事業が進んでいます。


工事中の方も、契約して着工待ちの方も、契約に向けて打合せ中の方も、
まずは紹介記事や事務局HPを見てどんな制度か確認してみてください!




過去の紹介記事と公式HPはコチラ
紹介記事①『共通編』
紹介記事②『リフォーム 金額計算編』
紹介記事③『リフォーム 手続き・期限編』
こどもみらい住宅支援事業事務局HP

紹介記事は今回が最終回です。












最終回となる今回は『注文戸建て住宅新築編』です。
制度上の新築には「注文住宅」と「共同住宅」と「分譲住宅の購入」の3つがあるのですが、
山弘では「共同住宅」や、「分譲住宅の購入」いわゆる「建売り」は滅多にないため、
新築は「注文住宅」の分だけ紹介します。









(1). 手続きの流れ

まずは共通編でも紹介した制度全体の流れについておさらいします。


申請の順序としては

①工事を発注してくださる施主様(以下、住宅取得者等)と
工務店やハウスメーカーなど(以下、施工業者)との工事請負契約を結ぶ

②施工業者が事業者登録を行う

※①と②はどちらが先でも良い

③工事に着手し、基礎工事が完成する

④交付申請を行う

⑤残りの工事を実施し、完成・お引渡しする

⑥完成報告を行う

⑦交付申請補助金額分を工事費に充当する

※⑦は最終金請求のタイミング次第で⑤・⑥と前後する場合あり

という流れです。


リフォームと一番大きく違うところは交付申請を出せるようになる条件です。
上の図では「補助額以上の出来高があること」と書かれています。
リフォームは工事が完成してお引渡しした後でないと交付申請出来ないのですが、
新築の場合は基礎工事の終了をもって「補助額以上の出来高」と見做せることになっています。

新築にはもう1つ、所定の計算式を使って出来高を確認する方法もありますが、
基本的には基礎完成を基準にしていくと思います。




(2).手続きの期限

続いて(1).で確認したそれぞれの手続きをいつまでにすれば良いかの期限を見ていきます。




①工事請負契約の期限

工事請負契約は、補助事業が閣議決定された2021年11月26日以降
に結ばれたものが対象となります。
ただし、「元契約に限る」ため、追加工事の契約などは含みません。
11月26日より前に元の工事請負契約をして、
12月になってから追加工事分の契約を結んだという場合は
対象になりません。

ここはリフォームと同じですね。


②事業者登録の期限

こちらもリフォームと共通で、
山弘は2022年1月11日に登録が完了しています。
事業者登録以降に着工することが制度の条件なので、
2022年1月12日以降に着工する工事が対象となります。


③交付申請の期限

ここからが本題であり、リフォームと新築で異なるところです!

「これだけの金額をください」と申し込む交付申請ですが、
新築の場合は(1).でも書いた通り「基礎工事の終了」を迎えると
交付申請出来るようになります。

交付申請期限が2022年10月31日となっていますので、
基礎工事を2022年10月30日までに終了することが申請期限になります。

ちなみに基礎工事の終了は
1. 建築士による現地確認
2. 写真提出による事務局の確認
の2段階でチェックされます。


④予約申請の期限

新築もリフォームと同じく、予算枠を確保する予約申請が任意で出来ます。
タイミングとしては工事に着手してから2022年9月30日まで
予約の有効期間が3ヶ月というところも含めてリフォームと同じです。

しかし、新築の場合は基礎が完成すれば交付申請に進める点がリフォームと違います。
山弘の戸建て住宅はほとんどの案件で工事着手から基礎完成までが1ヶ月くらいなので、
着手してすぐに予約申請をしても交付申請までに有効期間が切れてしまうことはまず無いと思います。

後で書きますが新築はリフォームと違って申請金額が変わることは起きにくいので、
なるべく先に予算を確保して安心したいところですね。


⑤完了報告の期限

新築の場合は交付申請が承認されたら御仕舞いではなく
工事が完了してから完了報告を出す必要があります。
交付申請の時点では基礎までしか出来ていなくても良いので、
ちゃんと建物が完成したのを事務局に報告しないといけないわけですね。
なお、リフォームの場合は工事が完成してから交付申請をするので
この完成報告というものはありません。


この完了報告の期限ですが『注文住宅の新築』の場合は
2023年5月31日までとなっています。

山弘の場合は基礎が完成してから上棟までが1週間程度、
上棟から外構も含めた完成までが3ヶ月~3ヶ月半くらいというのが標準です。
③の交付申請がちゃんと出せた物件ならば、11月上旬に上棟を行い、
年内に建物が概ね完成して年明けに外構と内部の細々した残工事を行うくらいとなります。
5月31日の完了報告期限は問題ありませんね。

申請手続きの流れ:新築



手続きの期限は以上です。
重要なのはやっぱり「③交付申請の期限」ですね。
そこさえクリア出来ていれば期限の心配は少なそうです。




(3). 申請対象

それではこの『新築注文住宅』の申請対象になる条件と、
貰える補助金額を見ていきます。



まず申請の条件ですが、期限以外には大きく2点あり、
「若者夫婦世帯」もしくは「子育て世帯」であること
②一定以上の省エネ性能を有する住宅であること
を両方満たしていれば対象となります。


①について、工事の発注者である「共同事業者」の属性という条件です。
「若者夫婦世帯」とは「申請時点で夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降の出生」と
決められています。
前回の類似制度では「予算成立時点で40歳未満」と表現されていました。
1981年生まれの方は満40歳だと思うので概ね同じ条件ですが若干緩和されましたね。

「子育て世帯」とは「2003年4月2日以降に出生した子を有する世帯」と定義されています。
2003年生まれの方は早生まれでなければ満18歳となり、今年高校を卒業した学年です。
こちらも「18歳未満」が条件だった前回よりも少し緩和されています。

なお「子を有する」を「同居し、生活を共にする家族や親族」と説明されており、
実の親子だけではなく孫や養子でもOKとなります。

共同事業者となる施主はお祖父ちゃんで、建てた新居で孫の居る息子夫婦と同居を始める。
みたいなケースも対象になりますね。



②について、「一定以上の省エネ性能を有する」という建物の性能が条件となります。
最近何かと聞くようになった、省エネや断熱性能などの言葉に関連していて、
『共通編』で書いたように省エネルギーを趣旨にした制度なのが濃く表れています。

では「一定以上」とはどれくらいの性能が必要なのかと言うと、
貰える補助金額がその性能によって変わるので次の項で紹介します。




(4). 貰える補助金額

本制度の新築の場合、貰える補助金額は建物の省エネ性能によって決まります。
省エネ性能が3段階に分けられ、性能が高いほど多くの補助金を貰えるわけです。
いずれも性能に対する定額なので「いくら貰えそうか」の確認は
リフォームよりも簡単で分かりやすくなっています。

新築の補助金額


「一定の省エネ性能」として対象に出来る最低限の性能は
「断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4」となっています。
この性能で貰える補助金額は定額で60万円となります。

断熱等性能等級4は断熱の指標として最も使われる「外皮平均熱貫流率(=UA値)」で見ると、
山弘の展示場がある姫路市の場合はUA値=0.87以下でクリアとなります。

これはフラット35Sの金利Bを省エネルギー性で取得しようとした際に求められる性能で、
他の省エネ関連の補助金でもよく聞くラインです。
一方で、今や「新築なら達成して当たり前」と言われてもおかしくない性能です。
山弘でも昨年度の実績としては「造作の木製建具を使う」などの特例が無い、
標準仕様の建物ならば全棟が達成しています。

山弘 断熱性能例


次に1段階高いランクとして「高い省エネ性能等を有する住宅」があり、
具体的には長期優良住宅認定低炭素住宅などが当てはまります。

特に認定低炭素住宅は「都市部のみ」や「申請に時間がかかる」と言う条件は付きますが、
「一定の断熱・省エネ性能」+「8種類の選択項目から2項目を満たす」というものです。
選択項目には容易に達成できるものが2つありますので、比較的取得しやすい内容となっています。
この「高い省エネ性能等を有する住宅」の場合は80万円が支給されます。




最も高ランクなのが「ZEH住宅」です。
名前にZEHと付きますが、あくまでも断熱・省エネの性能がZEH基準に達していればOK
という制度なので、太陽光発電等の再生可能エネルギーは避けて考えることになります。


姫路市の場合、今までの2つはUA値0.87以下でクリアとなっていましたが、
最高額が貰えるZEH基準となるのはUA値0.60以下となります。
意識的に断熱を強化しないとなかなか到達が難しい性能になってきますね。

この「ZEH住宅」基準を満たすと貰える金額は100万円です。
新築・リフォームを通して本制度の最高額となっています。






こどもみらい住宅支援事業の紹介記事は以上となります。

最後に、本制度の特に重要なポイントだけおさらいします。
①新築とリフォームでは対象条件が大きく異なる
②交付申請は2022年10月31日まで
③申請者は工務店で施主様が直接申請することは出来ない
この3点です!









長々と紹介してきましたが
この部分がよく分からない、
このケースならどうなるか判断が難しい、
等はきっと起きると思います。



質問や相談があれば、ぜひ営業や担当者にお尋ねください。

実施積算課 玉中健太

玉中 健太

玉中 健太

新築事業部 管理課 管理設計

資格:宅地建物取引士・二級建築士

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