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中銀カプセルスタイル

いよいよ秋も深まって来ましたが、今年の秋は少し足が遅いような気がしますね。営業設計の築山です。

今回も相変わらずですが、1冊ご紹介。


中銀カプセルスタイル
20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー


編 者:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
発行所:株式会社草思社
発 行:2020年12月28日第1刷




中銀カプセルタワービル(なかぎんカプセルタワービル)とは、黒川紀章が設計し、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅マンション)である。1972年(昭和47年)竣工。

黒川の初期の代表作であると共に、メタボリズムの代表的な作品である。

それぞれの部屋の独立性が著しく高く、部屋(カプセル)ごとに交換することも、技術的には可能な設計になっているが、実際には一部のカプセルのみを交換することが困難であることなどから、現在に至るまで一度も交換されたことはない。計画では竣工から25年毎(最初が1997年)に交換されるはずだった。

巣箱を積み重ねたような(日本国外からの見学者はドラム式の「洗濯機を積み重ねたような」と表現する)特異な外観は、ユニット製のマンションであることの機能をダイレクトに表現し、そのメタボリズムの設計思想を明確に表現したデザイン性は高く評価されている。1つのカプセル(1部屋)の面積は 10 m2 (4000mm × 2500 mm) である。また、ビジネスマンセカンドハウスまたはオフィスとして想定されたその内装は、ベッドエアコン冷蔵庫電話機(70年代なので回転ダイヤル式。下記の写真参照)、テレビ(アナログ式)、ステレオ(フルサイズコンポーネントのプリアンプ一体型チューナー、オープンリールテープレコーダー)、収納などが作りつけで完備されている一方で、キッチン洗濯機置き場はない。これは、食事は外で済ませて、洗濯はコンシェルジュに頼むことができたからであった(寝たり余暇を過ごしたりするためだけの場所)。

2006年には、DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれている。

後述のとおり老朽化などを理由として取り壊し・建て替えを行うべきとの提案が行われているが、2016年5月現在も方針は定まっていない[5]

「中銀」と冠されているが、これは管理会社の「中銀(なかぎん)グループ」(中央区銀座の略)に由来する。以上ウィキペディアより

と、いうような建物なのですが、残念ながら2022年に取り壊しがはじまるそうです。そんな中、この建物の魅力に取りつかれた現住人たち20人の人物像と個性豊かなインテリアの写真で紹介されています。

このカプセルには、もともと、ビジネスマンのセカンドハウスとして計画されていたのでキッチンがない。しかも老朽化が進み当時最先端だった設備はほぼ壊れていて、給湯器もこわれたままなので、お湯がでない。さらに印象的な丸窓が嵌められているが、その唯一の窓は、全館空調を想定されていたため嵌め殺しでなんとも換気が悪い。傷み具合はカプセルによってまちまちだというが、ほとんどのカプセルは雨漏りしているそうです。

こんな悪条件の中、工夫を凝らして住み続けている方たちです。(なかには、オフィスとして使われている方もいるようですが)

毎回この手の話をきくと、集合住宅は難題が多すぎると思いますね。保存を望む声は内外からも多くよせられていたといいますが、いざ保存したいと動き出しても、大規模改修を行うには、区分所有者の大多数の合意が必要とされていますしね。なかなか個人的な思いが通用しない場所ですね。まあ、ある意味小さな町の住人が一つの建物を共有しているようなものなのでしかたがないですね。

まだもう少しの間は見れるので、解体される前に一度、この歴史的に価値ある建物を見学に行きたいなと思います。

営業設計一課 築山

築山 大祐

築山 大祐

新築事業部 企画設計課

資格:2級建築士

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