イスラエルという国を知っておられますでしょうか?名前は聞いたことがあるという人が多いと思います。が、どんな印象をお持ちでしょうか?
私は、つい先日までイスラエルという国のイメージは、『紛争・危険・砂漠・テロ・四方敵だらけなどなど・・・怖い国!』そんな印象だったのですが、なんとこのイスラエルという国、実は世界でも有数に平和で豊かで安定しており、そして大の親日国。石油などエネルギーはもちろん、野菜も家畜も穀物も100%の自給率。日本とは大違い。ほんとに驚きました。
さらに、イスラエルはユダヤ人の国ですが、ご存知の通り、世界人口の0.2%しかいないのに、ノーベル賞の36%、大富豪の30%がユダヤ人。こう聞くと、一体どんな国なんだろうか?興味をそそられるんですね。
実はこの話は先日参加した講演会で聞いた話です。赤塚高仁さんという聖書研究家のお話でした。この赤塚さん曰く、『私の師匠は糸川英夫です』とのこと。糸川博士はノーベル賞で有名な天才。戦中は隼戦闘機の設計を手がけ、戦後にはロケット開発。そんな糸川博士が生涯をかけて読み込んだ書物が聖書なんだそうです。決してキリスト教徒でもなく、ましてやユダヤ教徒でもない糸川博士が、なぜ、生涯にわたって聖書を研究したのか?
聖書、とりわけ旧約聖書というのは4000年前から世界で最も売れているベストセラー。少なくとも50億冊は出版されているとのこと。これは宗教の経典である前に、人類の知恵の本で、モーゼに学ぶリーダーの引き際など、多くの教訓が入っております。そして何よりもこの旧約聖書は、ユダヤ人たちの国、イスラエルの建国の神話なのです。
イスラエルは2000年前に一度滅んでいます。そこに住んだユダヤ人たちはバビロニアという帝国によって奴隷として連れ去られ、世界中にバラバラになりました。しかし、2000年の時を経て再建されたのです。よくよく考えてみるとすごいことですよね?普通、世界中に散らばったら、そこの土地に同化して、数百年、いや数十年もすれば、数世代が入れ替わり、そこの国や土地に馴染んでいくのが普通です。
しかしユダヤ人達は、2000年もの間を国土を持たずに世界を放浪したにもかかわらず、他の民族に同化することなく、自分たちはユダヤ人だと認識を変えることもなく、一度無くした国を悠久の時を経て再建させたのです。
なんでそんなことができたのか?それは、ユダヤ人たちがユダヤ人たる所以。建国の神話をしっかりと持ち続けたからです。そう、それが旧約聖書なんです。
アメリカとの戦争に負けて、占領下にあった昭和20年代の日本。復興を夢見た糸川博士たち大正〜昭和一桁世代が、イスラエルと旧約聖書の研究を始めた理由がこれです。
講師の赤塚さんは、若い時に色々と悩むことがあり、そんな時に糸川博士の聖書の研究会に出会ったそうです。そして、上記のような話を聞いて聖書の勉強を始めたのですが、『始めた頃は、国があることなんて当たり前のことだと思っていたんですよね、私は・・・。ユダヤ人たちと付き合ってみると、それがどんなに有難いことか。それを初めて思い知らされたんです。きっと師匠の糸川博士はじめ、明治〜大正〜昭和、特に終戦直後を生き抜いた日本人の先輩方も同じように、“国があること”の有り難さを痛感していたのじゃないだろうか?そう思うんですよね。』とのコメントでした。
なるほど。これは確かに、恥ずかしながら、私も日本国があることなんて当たり前で生きてきたと反省しました。だから大切なことをついつい忘れがちになるんです。建国の神話や、民族や地域の文化。そしてそれを守ってきた先人たち。本当は、これほど大切なことはないんです。
歴史のことを英語では“history“と書きますが、これは“his story”、つまり“彼(=神)の物語”ということです。同じ歴史観、同じ神話を共有する人々が同じ民族なんです。
日本にも、古事記や日本書紀といった立派な建国神話があるのですが、今はあまり馴染みがありません。アメリカの占領政策の影響が75年を経た今でも効いているんでしょうね。
なんと、その日本を占領していたアメリカでは、世界史の中の日本国の歴史を教えるくだりで、日本の神話“国産みの物語”が紹介されているのだとか。そして、『日本国とは、BC660年に神武天皇が興した国』との記述もあるのだとか。(※意外でした!)
この赤塚高仁さんの書籍『ユダヤに学ぶ 変容の法則』を買って読みました。その他にもいくつか出しておられますのでお勧めします。
私は住宅を作る仕事をしております。しかも日本の。そして、その中でも古い歴史と文化を持つ播磨にある工務店です。日本の文化をしっかり守り、そしてより良く進化させる。それが私の仕事だと思っております。
なので、このイスラエルを通して日本を見るという発想・・・。知っているようで知らなかった日本を発見するきっかけになりました。もっと深めてみたい!そんな良い機会になりました!感謝!