総務の小林です。
今日も私の徒然ブログにお付き合い頂き有難うございます。
今回は風景をカタチ作る家づくりについて書きたいと思います。
美しい建物をつくるために、昔の大工の口伝には寸法に対するルールがあったそうです。
社寺建築の標準設計指針には「木割(きわり)書」というものがあり、細かな部材の形状にまで触れています。
一方、民家の場合は、美観やプロポーションについての伝承もあったと思われますが、残念ながらその記録は残っていないそうです。
ただ、歴史的な美しさは職人の口伝や地域の不文律のもと建てられた家や街並みに代表されるように、つまりは隣の家と同じものをつくることが、暗黙の了解のもとでのルールだったと言えるでしょう。
今でも文化庁が指定する重要伝統的建造物群保存地区には、昔の美しい街並みが残っています。
京都の祇園や岐阜の高山などは有名ですが、身近なところでも、たつの市の商家や醸造町の保存地区、篠山市の城下町などがそれに該当します。
一軒一軒の家が美しければ、街も美しくなりますが、街は価値観の違う多くの人の集りですから、もちろんそう簡単にはいきません。
しかし、これから私たちの役割は時代時代で必要となる法規は最低限クリアーしたうえで、伝統的な大工技術と地元材でつくられた「日本の家」をつくることだと考えています。
かつての民家がそうであったように、日本の気候風土に根ざした家づくりこそが、すなわち「美しい日本の風景」をつくることに繋がると信じています。
総務部 小林孝弘