設計の築山です。これからしばらく建築家吉村順三のことばを紹介したいとおもいます。今日はその8回目です。
吉村は少年の時から住宅に興味をいだき、日本の自然と風土に培われてきた独特の伝統建築に魅力を覚え、人の生活と幸せ、ヒューマンなものを建築に具体化することを一貫して実施してきた。地域に貢献する、品のある美しい建築を求めて作りつづけて20世紀を生きた建築家である。
吉村は、生前、これからの建築家のあり方を問われたとき、「簡素でありながら美しいもの、自分達の住んでいる日本の、長年にわたる風土と文化によって培われてきたさまざまな建築から学び、日本の気持ちから出たものをつくるべきでしょう」と語った。
そうした建築家吉村順三のことばを、存命中に活字となった新聞、雑誌、書籍等から選び、吉村が語った「建築は詩である」ということばを借りて、語録集『建築は詩』を刊行する(本文中「はじめに」より)
家具
住み心地のよい住宅、住み心地の悪い住宅、これらは、その中におかれる家具と強いつながりをもっている。家具の寸法と部屋の大きさとの関係や、家具の位置関係はそこで行われる生活の重心をどこにおくか、さらにそこへ出入りする人の動きをどう処理するかということできまり、プランニングのさい部屋の大きさや、形をきめるうえで欠くことのできない要素となるものである。(『新建築』1966年1月号より)
今お手元の図面に家具がかかれていますか?家具の寸法は適切ですか?意外と後回しになってはいませんか?きちんと計画しておきましょう。住み心地に直結すると、吉村順三氏が言っています。