設計の築山です。これからしばらく建築家吉村順三のことばを紹介したいとおもいます。今日はその7回目です。
吉村は少年の時から住宅に興味をいだき、日本の自然と風土に培われてきた独特の伝統建築に魅力を覚え、人の生活と幸せ、ヒューマンなものを建築に具体化することを一貫して実施してきた。地域に貢献する、品のある美しい建築を求めて作りつづけて20世紀を生きた建築家である。
吉村は、生前、これからの建築家のあり方を問われたとき、「簡素でありながら美しいもの、自分達の住んでいる日本の、長年にわたる風土と文化によって培われてきたさまざまな建築から学び、日本の気持ちから出たものをつくるべきでしょう」と語った。
そうした建築家吉村順三のことばを、存命中に活字となった新聞、雑誌、書籍等から選び、吉村が語った「建築は詩である」ということばを借りて、語録集『建築は詩』を刊行する(本文中「はじめに」より)
部屋のあかり
それは低い位置の方がいいね。かたちが良くなるんだよ、部屋のね。床が明るくなって、あかりの重心が低くなるでしょう。この、床が明るくなるっていうのがとても重要なことだと思う。だいたい住宅ではよほど特殊な場合を除いては天井はあまり明るくない方がいいんじゃない?部屋がずっと落ち着いてくるから。部屋もちょっと暗めのほうが僕はいいと思うね。それでいて手元とか必要な所がちゃんと明るければそれでいいんだからね。(『吉村順三・設計作法』より)
とはいえなかなか未体験のことを実行するのは勇気がいるものです。そんなときは、モデルハウスで体験してみてください。きっと参考になると思いますよ。