最近かなり冷え込みがきつくなってまいりました。
先日、今シーズン初の蟹をいただきました。
設計の築山です。蟹のタグはロシア産となってましたが・・
本日も本棚から一冊ご紹介いたします。
今日の一冊は、ちいさいおうち という絵本です。
バージニア・リー・バートン文絵 石井桃子訳
岩波書店より出版されていて初版が1954年4月15日ですから、山弘は創業前ですね。(山弘製材所として1958年12月創業)
すごいロングセラーですね
これだけ長く愛され続けている絵本なので、一度は手に取った方も多いかと思います。
おはなしはこんなシーンからはじまります
むかしむかし、ずっと
いなかの しずかなところに
ちいさいおうちが ありました。
それは、ちいさい きれいなうちでした。
しっかり じょうぶに たてられました。
このじょうぶないえを たてたひとはいいました。
「どんなにたくさん おかねをくれるといわれても。
このいえを うることはできないぞ。わたしたちの
まごの まごの そのまた まごのときまで、
このいえは、きっとりっぱに たっているだろう
ながいあいだ、このいえはしずかに建っていたのですが
月日は流れ、周りの環境が激変していきます。
道路はアスファルトで固められ、沢山の車が走ります。
さらに線路がしかれ、電車が大きな音を立てて駆け抜けていきます。
周りの土地には大きなビルが立ち並び、とうとうお日さまもまともに見えません。ちいさいおうちは、みすぼらしくなっていきました。
ところが、あるはるのあさ ちいさいおうちは このいえをたてたひとの まごの まごの そのまたまごにあたるひとと出会います。
そしてそのひとは このちいさいおうちにふさわしい場所をさがしてひっこしすすことになります。そして、とうとう ちいさな 丘が見つかりました。
一度は誰も住まなくなった為に、荒れてあちこちいたんでしまっていたちいさいおうちも、もとのつくりがしっかりしていたので、なおして新たな住人を受け入れることができました。
小さな家はとても魅力的です。
小さくつくれば、ランニングコストはもちろんイニシャルコストも抑えられます。それに、同じコストなら小さい方が大事なところにしっかりコストを掛けることができます。また、ちいさくすることで敷地に対して余裕を残せば、周囲に日の光や風をとどけることができます。さらに、木も植えられるようになり、軒庇もしっかり出すことができるようになります。このことは後の維持管理に大いに役立ちます。
性能が悪い大きすぎる家は、次世代が引き継ぎたいという気持ちになれず、このことがいま、空家問題の一因となっているように思います。
ちいさいおうちのように、
まごの まごの そのまた まごのときまで、
愛されつづける そんなおうちをつくっていきたいと思っています。
営業・設計課 築山大祐