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和風住宅・洋風住宅

『私は和風住宅は苦手で、洋風がいいんです。』今から15年くらい前、お客様によく言われた言葉です。そして続けて言われるのが、『でも、畳の部屋が欲しい。障子も立てて欲しい。ベッドより布団を敷いて寝たい。あ、もちろん靴は脱いで家に入ります。』

 

お客様が言っておられるのは、“洋式”の家・・・ではないんです。あくまで“洋風”なんですね。この“風”がついた時点で偽物感が出てきます。

 

畳も障子も布団もあるし、靴は脱いで上がりたいけど、見た目だけは洋風にして欲しい・・・。

『日本の木材で、日本の大工が作る。おまけに靴を脱いで家に上がるなら、どんなに西洋っぽくしても、完全に日本の家にしかならないんだけどね。』そんな風によく思いました。

そして『どうせなら、しっかりと和式で作ればもっとええ家になるのに。まあ、だんだんと時代が変わっていって、いずれは和式の住宅がやっぱりいい!となるだろうな。』そんな確信を持ちました。 

 

ところで、“日本に数年住んだ外国人 帰国後恋しがる日本のあれ!21選”なるものをWEBで見つけました。

 

 ・ゴミが少ない

 ・喫茶店のおしぼりサービス

 ・同僚からの『お疲れ様』という感謝の言葉

 ・チップがいらないのに“最高のサービス”

 ・お湯たっぷりの熱々のお風呂

 ・ホテル真っ青の多機能付きトイレ

 ・治安がすごく良い

 ・清潔でキレイなピン札

 ・個人経営喫茶店のコーヒーの美味しさ

 ・カンパイの音頭

 ・郵便配達の親切さ

 ・代金引換サービスのある宅配便

 ・和食の美味しさ

 ・無料の水

 ・日本の四季

 ・細かな細工の施された品物豊富な雑貨店

 ・トイレと浴室が別々

 ・コンビニの食べ物がすごい(特におにぎりとサンドイッチ)

 ・こたつ

 ・入相の鐘(お寺の夕刻の鐘)や子供に帰宅を促す地域放送

 ・靴を脱いで家に上がる

 

なるほどですね。外国の人たちから見るとこのような何でも無いことが日本の良さに見えているということです。

靴を脱いで家に上がることは日本人なら当たり前ですが、外国人には衝撃だそうです。

『日本で靴を脱ぐという習慣に慣れてしまった後では、帰国して、自宅に友人を招いた時、絨毯をどこを歩いたかもしれない汚れた靴で踏まれる時に感じる微妙なバツの悪さと言ったらない!今すぐ靴を脱いで!と言いたいが、相手がどう思うだろうと考えると言えない自分がいる。』らしいです。

 

玄関で靴を脱ぐ。というのは、建築的に多くの要素が加わります。

 ・家族全員分の靴置き場を一箇所に作る。各部屋には靴置き場はいらない。

 ・床を土間から上げるため、天井との距離が近くなる。

 ・窓の高さも考える必要がある。

 ・足の冷たさを緩和させるための設備としての床下地、畳、こたつ等々・・・

 

 

私が設計を習っていた先生がよくおっしゃっていました。

『日本は西洋と違って国境が陸地にないから。長い歴史の中で、戦争は少なかったから。昔から建築の窓は大きく外に開いていたし、靴を脱いで、ゆっくり寛ぐような床の作りになっていた。』

せっかく日本に住んでいるんだから、日本に合った家を作る方が良いに決まっております。

 

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