こんにちは、管理課の玉中です。
3年目となる三省合同補助金『住宅省エネ2025キャンペーン』
その中核となる国交省の『子育てグリーン住宅支援事業』について2月7日に事業内容が公開されたので、事業タイプごとで簡単にまとめてみたいと思います。
今回は
【リフォーム工事】
を行う場合についてです。
【注文住宅の新築】に比べてもかなり長くなりますが、ゆっくりとご覧ください笑
なお、いずれも2月7日時点での情報となります。
少し日が経って公式HPが開通するなどの動きはありましたが、情報としては現時点で最新のものとなります。
最新情報は記事の最後に公式HPのリンクを貼りますのでご覧頂くか、担当者にご確認ください。
※3月10日に『交付申請の手引き』が公開になったのでより詳細な情報が発表になっていますが、殆どは細かい部分になりますので、2月7日公開の概要版の方がオススメです。
制度全体のスケジュール予定や各制度の概要は以前書いている速報記事でご覧いただけます。
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1. 補助対象者
まずはどんな方が今回記事の対象に当てはまるかを確認してみましょう。
本事業の対象は新築・リフォームを含めて7つのタイプに分類されます。

今回はタイトルにもあります通り【既存住宅のリフォーム】を取り上げ、
(7)についてまとめていきます。
【リフォーム工事】の場合は対象者が分かれていたりしないのでシンプルです。
①リフォームする住宅の所有者・居住者等である(世帯は問わず、誰でも申請できる)
②対象となる一定の性能向上リフォームを実施する
③工事を対象期間内に実施する
④住宅を工事する場合に限る(店舗併用住宅の場合、住宅部のみ対象)
⑤工事請負契約を結んで工事を実施する
⑥1申請当たりの合計補助額が5万円以上となる
といった条件を満たしていればOKとなります。
新築の事業タイプ(4)~(7)のような「子育て世帯・若者夫婦世帯」といった条件はなく、年齢や世帯の確認が必要ないのでその点は少し楽ですね。
ただし、次のブロックで解説しますが、申請対象となるための条件②が2024年度までよりも厳しくなっていますので、注意が必要です。

2. 対象工事と補助申請額
リフォーム工事の申請は昨年度までと大きく違う部分があり、それが
申請に必要となる必須工事
についての条件です。
まずは対象となる工事の項目を見てみます。
下の表の通り、①~⑧まで8つの大項目があります。

赤字の①~③までが必須工事なのですが、2024年度までは
①~③の内、どれか1つ以上
が申請を出すための条件でした。
しかし、2025年度は
①~③の内、2項目以上
の工事を行うことが交付申請を出すための最低条件となっています。
また、補助金額の上限もこれによって決まることになっています。
この必須工事①~③の3種類で、
全て実施すると『Sタイプ』メニューになり、上限が60万円/戸
3種類の内いずれか2種を実施する場合は『Aタイプ』になり、上限は40万円/戸
となります。

それでは続いて8つの大項目の中身とその補助単価を1つずつ見ていきましょう。
① 開口部の断熱改修
開口部とは、建物の外壁(熱的境界)にある窓やドアのことを指します。
基本的には屋外に面していることが前提となっているため、建物内の間仕切り窓などは対象外であるほか、インナーガレージやサンルーム・テラス囲いなどに面している開口部も対象に出来ないことがあります。

そんな開口部の断熱改修ですが、開口部の大きさによって1箇所あたりの補助額が決まっています。
2024年度は大きさだけでなく、窓やドアの性能によって『省エネ基準レベル』と『ZEH基準レベル』の2種類に分けられていました。
兵庫県の大部分が含まれる「温熱地域区分のⅤ~Ⅶ地域」に設置する外窓交換の場合で言うと『省エネ基準レベル』は「アルミサッシ+複層ガラス」くらいの内容でも対象になるかなり緩いものでした。
今度の2025年度は『ZEH基準レベル』相当以上の性能のみが対象となるように基準が引き上げられ、概ね「アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラス」以上が補助対象工事となります。
それでは補助単価を見てみます。

補助額の単価としては内窓設置以外は2024年度の『ZEH基準レベル』の補助額から据え置きとなっています。
内窓設置は2024年度に比べると『省エネ基準レベル』の半額となっており、かなり下がりました。
前身の『子育てエコホーム』では外窓交換と内窓設置は補助額が同じでしたが、同時に行われていたより性能の高いサッシを対象とする『先進的窓リノベ2024』では内窓設置だと外窓交換の半分ほどしか補助金を貰えなかったので、そちらに近くなりましたね。
② 躯体の断熱改修
『躯体の断熱改修』は「外壁」と「屋根・天井」と「床(基礎)」の3つの部位ごとに必要な断熱材の最低使用量と補助額が決められます。
こちらも2024年度は『省エネ基準レベル』と『ZEH基準レベル』の2種類があったのですが、こちらも開口部と同様に『ZEH基準レベル』相当のみが対象となります。
使用する断熱材の性能によって「断熱材の区分」が決まり、それをどれくらいの量を使用するかによって対象となるかどうかが決まります。
使用量は下の表のように決まっており、通常の数字が「全体断熱」にあたり、カッコ書きの数字は「部分断熱」の場合の最低使用量となります。

例として、リフォーム工事の際に壁や天井でよく使用している断熱材「グラスウール」はほとんどが区分BかCに当たります。
厚さ100mmのグラスウールを天井に施工すると仮定すると、部分断熱の対象となる6.0m3を使うためには60㎡分、およそ36.3帖分を工事する必要があります。建物の大きさにも依りますが「2階の天井全部」に施工しても足りないかもしれません。
対象工事にするためには工事範囲を増やす、断熱材をもっと分厚いものにする、断熱材の性能がDグレード以上のものにする、などの検討が必要になる場合もありそうです。
そんな『躯体の断熱改修』の補助額は以下の通りです。

補助額は2024年度の『子育てエコホーム』の『ZEH基準レベル』と比べても1.1倍超くらいに増えています。
条件は厳しくなっていますが、貰える補助額は加算傾向にありますね。
③ エコ住宅設備の設置
エコ住宅設備は節電や節水に効果のある設備機器を設置した場合に貰える補助金となります。
対象となる工事の項目は2024年度から据え置きで、以下の通りです。

6種類ある内の補助制度利用の頻度が高い「節水型トイレ・高断熱浴槽・節湯水栓」の3種類で補助単価が1,000円~2,000円アップしています。
申請対象となるような工事であれば内容に含まれていることが多い3種類なので、これは嬉しいですね。
基本的には「/戸」で1つの建物につき1回だけ申請が出来るのですが、
節水型トイレと節湯水栓は「/台」となっています。
全面改装のリノベーションの場合なら、キッチン・洗面台・浴室で節湯水栓を3台分申請して15,000円の補助額にすることもよくあるので、対象となる製品を選定しているかどうかを担当者やメーカーに確認しましょう。

④ 子育て対応改修
『子育て対応改修』はさらに(イ)~(ニ)の4種類に分かれています。
引き続き順番に紹介していきます。
(イ)家事負担の軽減に資する設備の設置
2024年度の『子育てエコホーム』から引き続き5種類の工事が対象となっており、自動運転によって家事にかける時間を減らしたり出来るような設備のラインアップです。
5種類の工事と補助単価は以下の表のようになっています。

補助単価は食器洗機やコンロの単価が『エコホーム』よりも少し上がっています。
対象工事5種の中の「掃除しやすいレンジフード」と「ビルトイン自動調理対応コンロ」は後述する『キッチンセットの交換を伴う対面化改修』を申請する場合は補助対象に出来ません。
ここも2024年度と同じですね。
(ロ)防犯性の向上に資する開口部の改修
山弘では2024年度の申請案件の中には該当する工事は無かったのですが、コチラも続投の工事対象となります。
予め事務局に登録されている防犯性の高い窓やドアを設置する工事に対する補助で、CPマーク付きの窓などが該当します。
補助額は下表の通りです。

2024年度に比べると外窓交換の大きいサイズと中くらいサイズは減額、小さいサイズは増額、ドアは据え置きとなっています。
特に侵入被害の出やすい「掃き出しサッシ」に当たるような大きいサイズの窓と玄関などの大きいサイズのドアだけは、先述した断熱改修の場合よりも補助単価が高いので、両方に該当する場合はコチラの補助額を参照します。
(ハ)生活騒音への配慮に資する開口部の改修
こちらも防犯性と同じく山弘では2024年度の申請実績はありませんが、続投内容となっています。
2024年度の申請では『開口部の断熱改修』の『省エネ基準レベル』と補助単価が同じだったので「必須工事ではない『生活騒音への配慮』で申請する意味が無い」という理由で申請実績が無かったのですが、今回は『省エネ基準レベル』が廃止されたので、断熱性能が足りない窓やドアをコチラで申請対象とすることが出てきそうです。
この『生活騒音への配慮』の対象となるサッシは内窓を設置して二重窓にする工事の他、一定の遮音性能を有するサッシが該当します。
昨年度の資料ではもっと解かりやすく「二重窓又は複層ガラスならOK」となっていました。
補助単価は以下の通りです。
実は内窓設置以外の3項目は2024年度の省エネ基準と同じ補助単価です。これも上記の「複層ガラスならOK」が基準となっていると思われます。

(ニ)キッチンセットの交換を伴う対面化改修
キッチンに立って家事をしながらもリビング・ダイニングにいる子どもの様子を見られる。という子育て支援の一環の項目です。
キッチン用シンク正面、作業台、コンロ+調理室用の換気設備
の3ヶ所について、少なくとも2つ以上の設備に正対して立った位置から、工事前のキッチンではリビング・ダイニングを見ることが出来ず、工事後のキッチンからは見えるというのが対象工事の条件となります。

前提条件として「キッチンセットの交換を伴う」という内容がありますので、既存のキッチンセットを移設するだけというのは対象外となります。
また、レンジフードとコンロについては「キッチンセット」に含まれているからという理由で、この対面化改修を申請する場合は「(イ)家事負担の軽減に資する設備の設置」の対象としては申請することが出来なくなります。
※食器洗機は対面化改修の内容に含まれないので、対面化改修と併用できます。(イ)家事負担軽減の対象として申請しましょう。
そんな「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」の補助額は91,000円/戸です。
89,000円⇒90,000円⇒91,000円と、コチラも毎年じわじわと補助額が上がっていますね。
補助金額としても大きいので、要件に合いそうなら写真や書類の打合せをしっかりしておきましょう。

⑤防災性向上改修
防災性向上改修は、暴風時に飛んできたものがぶつかっても割れにくい合わせガラスや合わせ複層ガラスが該当します。
事前に試験をクリアした製品が事務局に登録されているので、それらの製品を使うことで申請が出来ます。

海水温上昇の影響なのか、台風の発生件数は増加傾向にあると考えられており、2001年~2010年の10年間と2011年~2020年の10年間を比べると30件ほど多くなっています。
最近は雨戸付の建物も減っているように感じますので、防災ガラスは需要があるのかもしれません。
補助額は以下の通りです。

防災ガラスについての工事なので、ガラス交換と外窓交換だけが対象となり、内窓やドアは対象外となっていますね。
ガラス交換の3区分と、外窓交換の大は断熱改修よりも補助単価が高くなっています。
必須工事を他の窓などで満たせるのであれば、コチラを狙うのも良いかもしれません。
⑥バリアフリー改修
恒例となっている『バリアフリー改修』は2024年度までと基準に変わりはなく、4種類の工事が対象となっています。
補助額は下表の通りです。
「手すりの設置」と「衝撃緩和畳の設置」がそれぞれ1,000円の増額になりました。

リフォーム工事では「手すりの設置」や「段差解消」の対象になる工事はそれなりに多く、特に在来のお風呂をシステムバスに変更する浴室改装工事では「手すりの設置」と「段差解消」と「通路幅等の拡張」の3つを含んでいることが多いです。
注意点として「段差解消」と「通路幅等の拡張」は元々あるものを改善する工事が対象となる条件になっているため、出入口や開口部の位置が変わってしまうとそれは対象になりません。
場所の変わらないリフォーム工事なら良いのですが、設置位置まで変わってしまうようなリノベーション工事だと、意外と対象に出来ないこともあるので、注意が必要です。

⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
新型コロナウイルスが流行り出した際に補助対象となり、以降ずっと続いている補助対象工事です。
試験機関等で効果が確認された空気清浄機能又は換気機構を有しているエアコンを設置する場合に対象となります。
メーカーによって高グレードの機種でないと対象にならなかったり、比較的安価なスタンダードモデルでも対象になっていたりと様々です。
対象になっているかどうか、子育てグリーン住宅支援事業の公式サイトで品番を確認しましょう。

補助単価は上の表の通りとなっています。
2024年度に比べると3種類全ての単価が1,000円ずつアップしています。

⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
必須工事を含むリフォーム工事の工事請負契約について、国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険および大規模修繕工事瑕疵保険への加入が申請条件となります。
指定されている法人は
●株式会社住宅あんしん保証
●ハウスプラス住宅保証株式会社
●株式会社日本住宅保証検査機構
●住宅保証機構株式会社
●株式会社ハウスジーメン
の5社です。
ちなみに山弘の新築住宅はハウスジーメンさんの保証制度を利用させてもらっています。
保険証券又は付保証明書を提出することで、1契約当たり7,000円の補助を受けることが出来ます。
3. 申請対象の期間
申請の期間については速報記事でも書いていますが、おさらいしておきましょう。
①対象工事に着手
閣議決定のあった2024年(令和6年)11月22日以降
リフォーム工事の場合は「対象工事」とは「工事請負契約締結後に行われる工事」と定義されています。具体的には多くの場合、解体着手を指します。
それよりも前に着工している場合は原則として申請出来ません。
11月22日以前に着手していても良い工事の例としては工事を伴わない現場調査、仮囲い・仮設足場の設置、資材搬入などが挙げられています。
逆に、補助対象工事以外であっても工事請負契約の範疇に含まれている工事に11月22日までに着手していた場合は工事全体が補助対象外となってしまいます。
基本的には工事請負契約における着工日が11月22日以降だと考えておきましょう。

②交付申請
リフォーム工事の交付申請は工事が完了し、お引き渡しの後に行います。
その期限は2025年(令和7年)12月末までです。
①の着手期限の条件を満たしていて、現在既に工事が終わっているのであれば、3月下旬か4月上旬かに交付申請の受付が始まった段階で提出出来ます。
逆に工事完了が年末ギリギリくらいになりそうな場合は、予算消化によって早めに打ち切られる可能性がありますので、リスクも高くなります。
そんな時には任意で可能な『予約申請』も活用しましょう。
『予約申請』をしておけば予算枠の確保ができるので、予算消化によって申請を打ち切られる際の救済措置となります。
ただし、一度予約申請をすると、後から追加工事が発生した等の事情があっても、予約時の申請金額を上回る交付申請は原則不可能となります。
工事請負契約を結ぶ前、最低でも着工前にしっかりと内容や品番を決定しておき、必要な書類を揃えて、いつでも予約申請が出来る状態にしておきたいですね。

4. 終わりに
今回は『子育てグリーン住宅支援事業』のリフォーム編として内容を見ていきました。
昨日、3/10に「交付申請の手引き」も公開され、いよいよ申請の開始も近づいて来ています。
最新情報は下のバナーより、公式HPをご覧ください。
申請に必要な書類の情報などの他、補助対象となるサッシや設備の品番検索などが用意されています。

山弘では4つの営業所全てにリフォームの担当者がおりますし、
定期的にリフォームやリノベーションの相談会も実施しています。
ぜひご相談ください。
新築事業部 管理設計 玉中健太
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姫路市・加古川市・たつの市を中心に
兵庫県播磨地域で注文住宅を建てたい方
新築・リノベ・リフォームをご検討の方必見!
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