こんにちは、管理課の玉中です。
3年目となる三省合同補助金『住宅省エネ2025キャンペーン』
その中核となる国交省の『子育てグリーン住宅支援事業』について2月7日に事業内容が公開されたので、事業タイプごとで簡単にまとめてみたいと思います。
まず今回は
【注文住宅の新築】
を行う場合についてです。
なお、いずれも2月7日時点での情報となります。
最新情報は記事の最後に公式HPのリンクを貼りますのでご覧頂くか、担当者にご確認ください。
制度全体のスケジュール予定や各制度の概要は以前書いている速報記事でご覧いただけます。
下のバナーを押すとページを開けます。
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1. 補助対象者
まずはどんな方が今回記事の対象に当てはまるかを確認してみましょう。
本事業の対象は新築・リフォームを含めて7つのタイプに分類されます。
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今回はタイトルにもあります通り【注文住宅の新築】を取り上げ、
(1)と(4)についてまとめていきます。
共通する対象者の条件は「自ら居住することを目的に新たに発注(工事請負契約)する住宅の新築」をする人。です。
住宅ではなく店舗や倉庫の新築、あるいは住宅でも自分が住まない別荘や投資・賃貸用はダメということですね。
加えて(4)については「若者夫婦世帯か子育て世帯」のみが申請出来ます。
若者夫婦世帯は2024年4月1日時点で夫婦の少なくともどちらかが39歳以下(1984年4月2日以降出生)が基本の条件となっており、但し書きとして2025年3月末までに工事着手を行う場合は基準が1年早まり、1983年4月2日以降出生が条件となります。
子育て世帯は2024年4月1日時点で18歳未満(2006年4月2日以降出生)の子を有する世帯が基本の条件となっています。若者夫婦世帯と同様に2025年3月末までに工事着手を行う場合は2005年4月2日以降出生と基準日が1年早まります。
注意点として、後述する『交付申請を出せるかどうか』の期限の基準は上棟・柱建てなど基礎工事以降の『対象工事の着手』によって判断されます。対象工事ではない基礎工事や仮設工事、外構工事などであれば着手していてもOKということです。
一方で、この『若者夫婦世帯・子育て世帯』の判断は建築工事着手が2025年3月末までかどうかで決まります。上棟などの対象工事は4月以降だったとしても、3月までに基礎工事に着手していれば1年早い(=厳しい)方の基準で年齢を確認しないといけません。
微妙なタイミングの方は建築会社とよく相談しておきましょう。
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2. 住宅の種類
今回は先ほどの表の
(1)注文住宅の新築【GXタイプ】
(4)注文住宅の新築【子育てタイプ】
という2つのタイプについて取り上げると言いました。
続いてはこの2つのタイプで求められる住宅の性能について述べていきます。
先に(4)の【子育てタイプ】から紹介します。
求められる性能は
『長期優良住宅』もしくは『ZEH水準住宅』
です。
これは2024年度と同じ基準となっています。
『長期優良住宅』は「省エネ、耐震性、劣化対策、維持管理と更新の容易性」の4項目などで一定の基準を満たし、防水や給排水設備などの維持保全計画を定めて、特定行政庁(市・県など)から認定を受けた住宅のことです。
住宅ローンの金利引き下げやローン減税の特例措置を受けられたり、地震・火災保険などの割引があったりするため、興味のある方も少なくないと思います。
ただし、標準化されていない建築会社さんも多いと思います。
特定行政庁から認定を受けないと着工出来ないなど申請に時間がかかったり、基準に適応させるために追加費用がかかったりする場合が多く、30年に渡る長期的な点検・メンテナンスも必須であるなど、広がってきているとは思いますが、まだ一般的とまでは言えないでしょう。
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もう1つの『ZEH水準住宅』とは、断熱・省エネ性能さえ長期優良住宅と同等以上であると認められれば対象とすることが出来ます。
具体的には
『断熱等性能等級5以上』かつ『一次エネルギー消費量等級6以上』
という基準です。
これは国交省が定める「省エネルギー地域区分」のⅥ地域(姫路市・加古川市など)の場合で見てみますと、
『断熱等性能等級5』とは外皮平均熱貫流率(UA値)が0.6以下、かつ、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)が2.8以下という基準です。
『一次エネルギー消費量等級6』とはビルディング・エナジー・インデックス(BEI)という建物のエネルギー効率を数値で示す指標を用いて表し、BEI=0.8以下で等級6となります。
耐震性や劣化対策やメンテナンスは不問となるため比較的容易に取り組むことが出来ますし、申請も長期優良住宅に比べるとかなり簡単になります。
山弘の新築住宅の標準仕様はこの『ZEH水準』を満たしており、『長期優良住宅』については施主様の希望に合わせて行うというスタンスとなっています。
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もう1つある(1)の【GXタイプ】は更に高い性能を必要とするタイプで、
「断熱等性能等級6以上」
「一次エネルギー消費量(BEI)=0.65以下」
「再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量を100%削減」
「高度エネルギーマネジメント(HEMSにより発電量を把握した上で冷暖房や給湯設備等を制御可能な手法)を導入する」
の4項目を全て満たすと申請対象となります。
意識的に頑張らないと達成が難しい、高い水準となっています。
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「断熱等性能等級6」というのは先ほどと同じ姫路市などのⅥ地域の場合、UA値=0.46以下が条件となり、GⅡと呼ばれるグレードに該当します。
山弘では2024年8月に完成した分譲住宅『MYOUJINnoMORI東加古川』の3棟などが実績としてあります。最近では山弘以外でもこのUA値=0.46以下という今までよりも高い水準を目指す会社は増えてきているように感じます。
続いて「一次エネルギー消費量(BEI)が0.65以下」となる。これは「一次エネルギー消費量削減率35%以上」と書かれている場合もありますが、同じ意味となっています。
これまでにあった基準では特に省エネ性能の高いものとして「ZEH+」というランクがあり、BEI=0.75以下が基準でした。今回のGXタイプの基準はそれをずっと上回っています。
建物の断熱性能を高めれば暖冷房の効率が良くなり、エネルギー消費量は少なくて済みます。
しかし、それだけではBEI=0.65以下に到達することはかなり難しいです。
給湯器を高効率のものにしたり、小型コンプレッサー内蔵の省エネ型エアコンを選んだり、熱交換換気の出来るシステムを採用したりといった工夫が必要になります。
ちなみに『MYOUJINnoMORI東加古川』は断熱性能こそ上記のようにUA値=0.46以下を達成していますが、エアコンや給湯器などの設備機器は新築標準仕様の製品を採用しており、その結果としてA号地はBEI=0.70、B号地はBEI=0.71、C号地はBEI=0.69となっています。
決して悪いものではなく一定の性能は持っているのですが、もう1段階頑張る必要があると言えます。
続いては「再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量を100%削減」です。
ZEH住宅ということですね。
これは建物の断熱性能・設備機器の省エネ性能によって住宅で使うエネルギーを少なく抑えた上で、再生可能エネルギーによってその消費量以上にエネルギーを生み出していればOKとなります。
再生可能エネルギーの中で最も一般的なのは屋根の上に太陽光発電を乗せることでしょう。
建物の屋根形状などによって制限はありますが、ここまでの2つをクリアした建物であればそこまで多くの太陽光パネルを必要としないと思いますので、おそらく達成できると思います。
また、山弘も加盟している(株)OMソーラーには発電するだけのパネルとは違い、太陽熱利用も同時に行うようなパネルもあります。省エネルギーの計算にはそこまで反映されないのですが、このパネルを含むシステムを導入すると、屋根の上で暖まった空気を室内に取り込むことで、より暖房効率を上げることも可能です。
なお、寒冷地や低日照地域などは一般地域に比べて同じパネル面積・時間でも発電量が落ちるので、緩和措置があります。
※兵庫県内で寒冷地や低日照地域に当たる地域はありません。
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最後の「高度エネルギーマネジメントを導入する」について詳細は後日公表となっています。
例えば「日中に太陽光発電をしている間にエコキュートが湯沸かしをしておけば、夜間に電気を購入しなくて済む」のように、使うエネルギーはなるべく自宅で生み出すエネルギーで賄えるようにするシステムのことだと考えられます。
今は売電価格がドンドン下がっていて電気の購入価格よりも低くなっているので、なるべく「多く売る」よりも「自宅で使って買わずに済む」方がお得となっています。
そのため、蓄電システムと組み合わせることが推奨されていますね。
3. 補助対象・申請期間
続いても大切な「期間」についてです。
まず補助対象となる期間についてですが、先述したように
『交付申請を出せるかどうか』の期限の基準は2024年11月22日(閣議決定日)以降、2025年12月31日までに対象工事に着手することとなります。
対象工事は「基礎工事よりも後の工程の工事」と定義が書かれているのですが、具体例を見ると土台据えや基礎断熱の断熱材敷設、仮設足場の組立て、外構工事などは期日よりも前に行っていても良いことになっており、地上階の柱を建てる工事が11月22日以降であることが条件となります。
この「基礎工事より後の工程の工事」への着手が早すぎると申請対象外となりますね。
また、対象工事に着手していないと交付申請を出すことが出来ないため、遅すぎても申請出来ないことになります。
交付申請の期限は例年通り「遅くとも2025年12月31日」と予定されています。
実際には対象工事に着手した証明書を作成したりと事務手続きの時間も必要なので、クリスマスまでには上棟を終わっていたいですね。
山弘の場合は標準仕様であれば、柱を建てて梁を組んでパネル化した屋根を設置するところまで1日で行いますので、この上棟日が基準となります。
なお、予算が上限に達した時点で打ち切りとなります。
昨年度の消化率は新築の予算の90%まででしたが、一昨年は9月末に打ち切りになっていますので、なるべく早めに申請出来るよう、書類の準備などを進めておきたいものです。
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今回も昨年度までと同じように任意の「予約申請」のシステムがあります。
交付申請を出せるようになる「対象工事への着手」ではなく、基礎工事など「対象工事ではないが工事請負契約内の工事に着手」していれば、補助金の予算枠を一時的に確保出来ます。
有効期間は「予約申請提出から3ヶ月」または「交付申請期限である2025年12月31日」のどちらか早い方までとなります。
10月~11月くらいに基礎工事に着手する案件などであれば、予算消化のペースを見ながら予約申請のシステム活用も検討したいところですね。
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忘れてはいけないのが、お引渡し後の「完了報告」です。
戸建住宅の場合は令和8年7月31日までに提出すると定められる予定となっています。
必要な書類などは手引きが公開されてからまとめ直すつもりですが、新築した住宅に入居した証明書類として「住民票の写し」などの提出が求められます。
申請そのものは全て建築会社が行いますが、施主様も「共同事業者」として申請に協力して頂きます。主には住民票などの書類手配となりますので、担当者とよく相談しながら進めてくださいね。
4.補助金額
皆さんが最も気になるところかもしれません。貰える補助金額についてです。
『1. 補助対象者』と『2. 住宅の種類』でもお話したように、施主様の属性によって申請出来るようになる建物の性能が異なります。
それらをまとめたのが下の表です!
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非常に高い性能を求められる『GX志向型住宅』は補助額も1番大きくて160万円/戸となります。
これは子育て世帯や若者夫婦世帯に該当する人だけでなく、全員が申請することが可能です。
一方で子育て世帯・若者夫婦世帯に当てはまる方は『GX志向型住宅』ほどの性能ではなくても、
『長期優良住宅』や『ZEH水準住宅』に当てはまっていれば申請対象になります。
『長期優良住宅』の場合は80万円/戸
『ZEH水準住宅』の場合は40万円/戸
が基本となります。
そこへ、子育て世帯・若者夫婦世帯限定の加算措置があります。
建替え前住宅等の除却を行う場合、すなわち古い住宅を解体して建替えや住替えを行う場合は+20万円/戸が加算されます。
なので
『長期優良住宅』の場合は80万円 ⇒ 100万円/戸
『ZEH水準住宅』の場合は40万円 ⇒ 60万円/戸
へと加算されます。
加算措置を使えるかどうかには「新築工事の契約者と同一の契約者による除却であること」や「除却する建物の所有者が新築工事の発注者又はその親族であること」など幾つかの条件があるようですので、交付申請の手引きが公開されたらしっかりと確認しましょう。
ちなみに2024年度の補助額は『長期優良住宅』が100万円で『ZEH水準住宅』で80万円でした。
古い建物の解体という加算措置が無くても2025年度と同等以上の補助額だったので、かなり抑えられていることがわかります。
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5. 終わりに
今回は補助金『子育てグリーン住宅支援事業』の「注文住宅の新築」に絞って内容を紹介しました。
交付申請の開始は3月末の予定となっていますので、3月中旬までくらいには交付申請の手引きが公開され、追加情報が出てくると思います。
子育て世帯・若者夫婦世帯でなくても申請可能な『GX志向型住宅』という区分が新設されたのが最も大きな変更点となります。
ご自身が考えている仕様、あるいは建築会社の標準仕様がどれくらいの性能なのか。
標準仕様からの変更差額を含めて『GX志向型住宅』を目指すのか。
あるいは別の補助金『ZEH支援事業』などの活用を検討するのか。
考えないといけないことが年々増えています汗
早め早めに担当者と相談し、しっかりと申請開始に備えておきましょう!
新築事業部 管理設計 玉中健太
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姫路市・加古川市・たつの市を中心に
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