住宅を設計する上で、大事にしていること⑥

公開日:2024年12月08日　最終更新日:2024年12月08日

設計の中村です。

建築を学びはじめから

20年になります。

これまで200棟の住宅の設計に携わらせていただきました。その貴重な経験の中で得た住宅設計における考え方や大事にしていることを整理していこうと思います。

建築は、考えなければならない要素が非常に多く、複雑でなかなか一言では言い表せないものです。これから住宅を建てられる方や建築に興味がある方へこの複雑な要素を分解しながらお伝えすることで、建築のおもしろさや住宅のおもしろさ、そしてより良い暮らしを実現していただくためにお伝え出来ればと思います。

今回は、その第６弾です。

過去の記事は、こちら。

第５弾『夢を叶えるのではなく、夢を描ける家づくり』

夢を描けるための『題名のある住まい』

過去に『さくら食堂』というタイトルの住まいを設計させていただいたのだが、敷地を見させていただいた時に、立派な桜の木が生えていた。「この木を切って欲しい。」との要望だった。仕事場のすぐ近くにある敷地だったため、仕事終わりに、従業員の方に、ちょっと寄ってご飯でも食べて帰ってもらったり、人が集まるような住まいにしたい。」との要望もあった。それを踏まえて、プレゼンさせてもらった住まいのタイトルが、「さくら食堂」だった。桜の木を残し、愛でながら、大きな屋根の下で、人が集まり、まるでそこは、みんなの食堂のような家になればという思いからだ。その時「本当にここで食堂しようかな！」という言葉をいただいた。建て主からしたら、ただ自分の要望の叶う住まいを提案されると思ったら、こういう暮らしを、こういう生き方もやってみたい！と思ってしまったのである。題名は、夢を描ける住まいの第一歩ではないかと思う。