こんにちは、設計の玉中です。
昨年に続いて実施されます三省合同補助金『住宅省エネ2024キャンペーン』
11月に速報と、メインとなる国交省の『子育てエコホーム支援事業』の、
そして今月上旬に環境省の『先進的窓リノベ事業』の紹介記事を書きました。
今回は経産省が実施する『給湯省エネ事業』について紹介します。
なお、山弘ではリースの取扱いはありませんので、新設の場合を前提としてお話します。
過去記事は下のバナーからご覧ください。
①住宅省エネ2024キャンペーン新設速報
②子育てエコホーム支援事業 新築戸建編
③子育てエコホーム支援事業 リフォーム編
④先進的窓リノベ2024事業
1.補助対象者
後述する対象工事を行う施主様であればほとんど誰でも対象となります。
対象の基本条件は「工事契約を結ぶこと」と
「機器を設置する住宅の所有者等であること」の2点となっています。
2つ目の「所有者等」とは
・住宅を所有する個人またはその家族
・住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
・賃借人
・共同住宅等の管理組合・管理組合法人
の4つが資料で挙げられています。
詳細はまだ出ていませんが、例として「家の名義はお父さんだけど息子夫婦が工事する」場合は1つ目の「その家族」に当たるものと思われます。
但し、販売を目的している分譲事業者や買取再販事業者はNGとされています。
ご自身の家を触ろうとする一般的な施主さんであれば問題無いですね。
制度上での2023年度との大きな変更点としては、2点あります。
1つ目は先進的窓リノベと同じく、今年は「契約時期が不問」になったことです。
2つ目は補助金の還元方法が変わったことです。
2023年度は「補助金が工事発注者に直接振り込みされる」から
2024年度では「一旦国から施工業者に振り込まれ、施工業者が施主に還元する」
という流れに変更されました。
国交省・環境省は昨年度からそうだったので、経産省が合わせた形ですね。
2.対象期間
給湯省エネ事業の申請に関する期間としては
①-1. 2023年11月2日以降に対象工事に着手(新築注文住宅・リフォームの場合)
①-2. 2023年11月2日以降に対象機器が設置された住宅の引渡しを受ける(分譲住宅購入の場合)
①-3. 2023年11月2日以降に既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅を購入する
②2024年12月31日までに完工・引渡しをして、交付申請を提出
※予算枠が無くなったら打ち切り
と定められています。
①-1~3.は「住宅・機器設置工事との関わり方によってどれか1つが該当する」という考え方で、加えて②が共通事項となります。
補助対象者の項目でも書きましたが、契約日は不問となっています。
一方で「①-1」や「①-3」の条件で申請を予定している方は、工事が終わってからでないと交付申請が出来ないので、発注・納品までの期間を見込むなど早めに書類等の準備をして、余裕を持たせたいところです。
この点はエコホーム支援事業のリフォーム工事型と全く同じですね。
予約申請を活用して予算枠を確保できることも頭に入れておきましょう。
なお「未使用の対象機器が設置された既存住宅の購入」は対象になりません。
購入するのが新築住宅か、あるいは給湯器を新調するか、が条件に求められています。
3.対象工事
それでは最も重要な対象工事の解説です。
まず基本となる補助対象設備が3種類あり、
①ヒートポンプ給湯器「エコキュート」(電気ヒートポンプ)
②ハイブリッド給湯器(電気ヒートポンプとガスの組合せ)
③家庭用燃料電池「エネファーム」(ガスから発電)
となっています。
それに加えて2種類の追加措置があり、合計して補助額を計算します。
なお、戸建住宅については1戸につき2台までという数量制限がついています。
3種類それぞれに「1台あたり幾ら」と補助額が決められており、
高い性能を有する機種の場合は更に加算される仕組みです。
加算条件も含めて、それぞれ見ていきましょう。
①ヒートポンプ給湯器「エコキュート」
基本額:8万円/台
加算条件A:2万円アップ 昼間の余剰再エネ電気を活用でき、インターネットに接続可能な機種
加算条件B:4万円アップ 補助要件下限の機種と比べて5%以上CO2排出量が少ない機種
加算条件C:5万円アップ レジリエンス機能が強化された機種
となっています。
ただし、エコキュートなら何でも良いわけではなく、一定以上の性能を有している機種だけが対象製品となっており、登録されている品番のエコキュートだけが申請出来ます。
その性能というのが「2025年度基準」と呼ばれるものを満たしていることとなっており、
カタログ等でこの2025年度基準の方が「緑のeマーク」になっていればクリアしている証です。
例外として、太陽光発電と組み合わせる「おひさまエコキュート」であれば省エネ基準達成率が低くても補助金の対象となっています。
昼間に太陽光発電で作った電気を使ってお湯を沸かすため、電気を買わなくて済むのでCO2排出量の削減に役立っている。と見做すようで、自動的に加算条件Bも満たすと規定されています。
続いて加算条件についての説明です。
加算条件Aは、太陽光発電との連携を前提とした機能です。
インターネットに接続して天気予報などの情報を取得し、昼間にどれくらい発電できるかなどを計算することで、沸き上げを行う時間帯を自動で設定できる機種が対象となります。
加算条件Bは、沸き上げの効率や保温能力が高くて、省エネ性能の優れた機種が対象となります。
先ほど載せたカタログの製品では、赤四角で囲った右にJIS効率の入力値が「3.5」となっています。これが区分Eのエコキュートでは申請の最低条件なのですが、更に0.2以上高い数値を持つ機種が加算条件Bとなります。
「3.5」のような具体的な数値はエコキュートの中でもタンク形状等の組合せ要素で区分が分かれており、その区分ごとで数値が決められています。工事店にご確認ください。
最後の加算条件Cは、AとBの両方を満たす機種。と考えればOKです。
②ハイブリッド給湯器(電気ヒートポンプとガスの組合せ)
基本額:10万円/台
加算条件A:3万円アップ 昼間の余剰再エネ電気を活用でき、インターネットに接続可能な機種
加算条件B:3万円アップ 補助要件下限の機種と比べて5%以上CO2排出量が少ない機種
加算条件C:5万円アップ レジリエンス機能が強化された機種
となっています。
ハイブリッド給湯器は電気ヒートポンプとガスの両方を使う給湯器です。
仕組みをざっくりと説明すると、ヒートポンプで熱交換を行ってあらかじめ水道水を温めて貯めておいて、足りない熱量だけガス給湯器(エコジョーズ)で加熱するという流れです。
水道水をそのまま温めるのに比べて、前もってヒートポンプで温めておく分、ガスの消費を抑えられるので省エネになるという仕組みになっています。
加算条件はエコキュートと同じ文言のA、B、Cの3パターンがあります。
加算条件AとBはどちらか一方を満たしていれば3万円/台の加算を受けることが出来ます。
加算条件CはAとBの両方を満たしていればOKで、5万円/台の加算となります。
③家庭用燃料電池「エネファーム」
基本額:18万円/台
加算条件C:2万円アップ レジリエンス機能が強化された機種
となっています。
エネファームはガスから水素を取り出して空気中の酸素と合体させることで家庭内で発電し、発電の際の排熱を利用してお湯を作る仕組みになっています。また、電力会社の発電所で作った電気を送って来るよりも消費場所に限りなく近い家庭内で発電することで、送電の際のロスを減らすことも出来ます。
加算条件Cの「レジリエンス機能」についてエネファームだけは定義が異なっています。
条件は「ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に、稼働を停止しない機能を有するものであること。」となっており、エコキュート等における条件Aの強化版みたいなものですね。
「対象工事」の最後に、2種類の追加措置についての説明です。
給湯設備の設置に伴って行う「蓄熱暖房機の撤去」と「電気温水器の撤去」に対して補助額の加算を受けられます。
加算される補助額は
蓄熱暖房機の撤去は10万円/台
電気温水器の撤去は5万円/台
となっています。
ただし、申請出来る台数には制限がついており、
蓄熱暖房機の撤去には「2台以内」
電気温水器の撤去には「取替えする給湯設備の台数以内」となっています。
4.必要な書類
申請に必要な書類は必須書類が5点と加算条件の証明書類に分かれています。
必須書類の中で施主さんが用意しないといけないものは、③本人確認書類のみになります。
他の2制度と同じく、着工した時点で予約申請が出来るようになりますので、早めに用意して予算枠を抑えられるようにしておきましょう。
ただ、1点気を付けたいのが「工事前・工事後写真は工事看板等が写った写真であること」です。
『子育てエコホーム支援事業』と『先進的窓リノベ事業』は写真に手板等が無くても良いのですが、『給湯省エネ事業』だけは物件名や日付などを書いたものが写っていなくてはなりません。
昨年度、実際に起きたことなので紹介しますが、工事前写真を撮るより先にお客様が自分で古い給湯器を取り外してしまっていたのです。善意であったとは思うのですが、工事前写真を手板アリでは撮影できなくなってしまっていました。
(この物件では結果として給湯省エネ事業の対象外の給湯器だったので、取り外してしまう前に撮っていた手板無し写真を使ってエコすまい補助金に申請しました。)
工事前写真を撮影できていないと原則として補助金申請が出来なくなってしまいます。通常は施工業者側で撮影すると思いますので、補助対象になるかどうかの確認なども含めて、施工業者とよく相談しながら進めましょう。
5.終わりに
『住宅省エネ2024キャンペーン』の概要紹介のトリを飾る、
『給湯省エネ2024事業』について解説しました。
昨年度は対象のエコキュート1台につき5万円の補助と金額が小さかったので山弘では申請案件が1件も無かったです。それに比べて今年度は貰える補助額が増えて8万円~となっており、メリットが大きくなっています。
また、「躯体の断熱性能を高める」や「窓サッシを入れ替える」のような建物自体を触る工事ではなく、給湯器というイチ設備の入替えだけで貰えるという点で、取っ付きやすい補助制度だと思います。
古い給湯器は故障のリスクが高いだけでなく、消費電力も大きくてランニングコストも高騰しがちです。電気温水器や10年を超える古い給湯設備を使っている方は、この制度が使える今が更新のチャンスです!
山弘ではリフォームやリノベーションの相談会も随時開催しています。
今月は
2/24(土)にリフォームの相談会
2/24(土)・25(日)にリノベーションの見学会@姫路市
を予定しています。
3月にも引き続きリフォーム・リノベーションの相談会や
新築させて頂いたお客様のお家を訪問出来る「住まい手暮らしの見学会」なども予定しています。
興味を持って頂いた方は、下記リンクの
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住宅事業部 実施積算課 玉中健太
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