こんにちは、設計の玉中です。
先日速報としてアップしました『住宅省エネ2024キャンペーン』について、
3省合同補助金の中の1つ『子育てエコホーム支援事業』の内容が発表されましたので紹介します。
前身の『こどもエコすまい』と同じく新築とリフォームの両方で活用出来るのですが、
補助金額の計算や必要な書類等が大きく異なります。
前回は新築戸建パターンでしたので、今回はリフォームについてご紹介です。
新築戸建編に比べてかなり長いですが、どうぞご覧ください。
1.補助対象者
新築の場合の補助対象は『若者夫婦世帯』か『子育て世帯』のみとなっていましたが、
リフォームの場合は後述する工事を行う人なら全員が申請出来ます。
対象者の条件は「工事請負契約を結ぶ者」のみとなっています。
『若者夫婦世帯』か『子育て世帯』に該当するかどうかは、
貰える補助金額の上限を増やすための追加条件という位置付けになります。
補助金額上限は他にも「既存住宅を購入してリフォーム工事を行う場合」や
「長期優良住宅の認定を受ける場合」に増やすことが出来ます。
『若者夫婦世帯』は夫婦のどちらかが期日時点で39歳以下という条件です。
2024年(令和6年)3月31日までに着工する場合は1982年(昭和57年)4月2日以降の出生、
着工が4月1日以降の場合は1983年(昭和58年)4月2日以降の出生、
という条件です。
『子育て世帯』は期日時点で18歳未満の子どもがいるという条件です。
2024年(令和6年)3月31日までに着工する場合は2004年(平成16年)4月2日以降の出生、
着工が4月1日以降の場合は2005年(平成17年)4月2日以降の出生、
という定義となっています。
ここの定義は新築と同じですね。
2.補助対象期間
リフォーム工事の申請に関連する期間としては
①2023年11月2日以降に着手
②2024年12月31日までに完工・引渡しをして交付申請を提出
※予算枠が無くなったら打ち切り
の2点が定められています。
契約日が不問というのは「こどもエコすまい」の流れを継いでいて新築とも同じです。
新築は上棟の時点で交付申請出来るので完成前に申請してOKなのに対して
リフォームは工事が完工してからの交付申請となります。
そのため、リフォームの方が期間はシビアになりがちです。
前身の制度の時には内窓等で供給が追い付かなくて遅延が発生していたので、
着工していれば予算枠を確保出来る「予約申請」も上手く活用したいですね。
3.対象の工事
リフォームの補助対象となる工事は大きく8項目あり、
「必須工事」の3項目と「加算工事」の5項目に分かれます。
契約内に必須工事3項目の中のいずれかに該当する工事を含んでいないといけません。
①~③が必須工事の3項目
④~⑧が加算工事の5項目となります。
ただし、ワンストップとして同時に申請出来る他の2制度を活用する場合は
その制度活用を以って必須工事を満たしているという扱いが可能です。
それでは対象工事8項目を見ていきます。
①外部開口部の断熱改修
一定以上の断熱性能を有する窓やドアの設置・複層ガラスへの交換などが該当します。
具体的な基準としては地域によって決められている断熱区分によって変わり、
山弘本社のある宍粟市などのⅤ地域やモデルハウスのある姫路市などのⅥ地域は
省エネ基準として「熱貫流率U値が4.7以下」が申請できる最低基準となります。
「アルミサッシの複層ガラス」のみでもクリア出来る数値なので、ハードルはかなり低いです。
また、より性能の高いサッシとしてZEH基準の「U値が2.3以下」の場合は
より多くの補助金を貰えます。
三協アルミのカタログによると「アルミ樹脂複合サッシでLow-E複層ガラスの空気層」
という仕様なら2.3以下に相当するものがあります。
しかし、引き違い窓・滑り出し窓・上げ下げ窓などの種類によって数値が異なり、
複層ガラスの間にある空気層の厚みによっても性能が変わります。
仕様は一見同じでも、2.3以下になるものとクリア出来ないものとがありますので、
しっかり確認しておくことが大切です。
貰える補助金額は以下の通りです。
一般的な「1間幅の腰窓」と言われるW1690×H970程度のサッシならばサイズが中となり、
これの入れ替えを行うと貰える補助金額は低い基準なら20,000円です。
U値2.3以下の高い性能のサッシであれば同じサイズで27,000円が貰えます。
内窓設置・外窓交換については、同時申請して併用可能な『先進的窓リノベ事業』もあります。
U値1.9以下という更に高い性能のサッシが条件にはなりますが、
より多くの補助金を貰えるようになりますのでコチラもチェックしてお得に使いましょう!
②外壁、屋根・天井、床の断熱改修
外壁、屋根・天井、床のそれぞれについて一定の使用量以上の断熱材を使用する断熱改修が対象となります。
グレードの高い断熱材であれば量が少なくても高い断熱性能を発揮できますので、
断熱材の性能によって2区分に分けられて最低使用量が決められています。
山弘の新築で壁や屋根の標準にしている断熱材「セルロースファイバー」や
リフォーム工事でよく使われている「高性能グラスウール断熱材」の多くはCランクで、
2区分の低い方に振り分けられています。
新築の基礎断熱に使用している「スタイロエースⅡ」はEランクに当たります。
そして貰える補助額が以下の表の通りです。
使用量は㎥で計算するので、床・天井・壁の面積に断熱材の厚みを掛けていきます。
例として、床にスタイロエースⅡ(Eランク)の厚さ50mmを使うとすると、
申請の最低限となる1.0㎥には20㎡分となり、概ね13帖以上で対象と出来ます。
天井に高性能グラスウール16K(Cランク)の厚さ100mmを使う場合だと
最低使用量は3.0㎥なので30㎡分となり、概ね19帖以上で申請出来るようになります。
リフォーム工事の中で「何の」断熱材を「どれだけの範囲」に施工するのか、
お見積りや計画図面などで確認したいものです。
③エコ住宅設備の設置
節電や節水に繋がる一部の住宅設備について補助額が設定されており、
対象となる設備と補助額は以下の通りです。
基本的には/戸となっていて、設備を2ヶ所に設置しても1回分しか補助金を貰えないのですが、「節水型トイレ」と「節湯水栓」は/台となっていて、複数箇所に設置すればその数だけ乗算できます。
④子育て対応改修
若者世帯・子育て世帯を支援するという補助金の目的に合致させるための工事として
A.家事負担の軽減に資する設備の設置(主に自動で家事を行う機器)
B.防犯性の向上に資する開口部の改修(CPマークのサッシ)
C.生活騒音への配慮に資する開口部の改修(内窓の設置or遮音性能T1以上or透過損失等級2以上)
D.キッチンセットの交換を伴う対面化改修(後述)
が対象となっています。
具体的な対象と補助額は以下の表の通りです。
「D.キッチンセットの交換を伴う対面化改修」ではキッチン設備の入替えを前提として、
既存のキッチンがリビングやダイニングに向かって対面化していない時に
新しいキッチンのシンク等に立った時にリビングやダイニングを見渡せるようにする工事が対象となります。
キッチンの対面化改修を申請する場合、家事負担軽減の中の
「掃除しやすいレンジフード」と「ビルトイン自動調理対応コンロ」については
補助を受けることが出来ませんので注意しましょう。
⑤防災性向上改修
防災性の向上に効果があるとされるガラス交換や外窓交換の工事に対しては
断熱改修や防犯・騒音対策などに比べて更に高い金額を受け取ることが出来ます。
具体的には「JIS R 3109:2018 暴風時における飛来物衝突試験方法」に基づいて
屋根瓦の破片相当のものが飛んできても大丈夫。と安全性を確認された
合わせガラスや複層ガラスを用いる製品が該当します。
補助額は以下の通りです。
外窓交換の大サイズで比較すると、
断熱改修のZEHレベル :34,000円
防犯性の向上に資する:37,000円
騒音への配慮に資する:25,000円
防災性の向上改修 :41,000円
となっており、1段と補助額が多いです。
複数に該当するサッシ工事の場合、一番多く貰える項目で申請しましょう。
⑥バリアフリー改修
改修を行った住宅に長く住み続けられるようにという狙いから、
下記の表に当てはまる工事について、改修を行った対象工事の種類に応じた補助額が貰えます。
ただし、バリアフリー改修は「元々ある段差や通路を通りやすくする工事」が原則となっており、
解消する元が無い新設・増設の工事は対象になりません。
例として前身の『こどもエコすまい』を申請する中で起きた話ですが、
「通路幅等の拡張」としてトイレの出入口を対象に
入口ドアを開戸から引戸に変えることで有効開口が広がる。
は申請対象になる可能性があります。
しかし、元の開戸と別の位置に付けた場合は開口幅が大きくなっていてもNGとなりました。
浴室を在来のお風呂からユニットバスに変える工事などは
バリアフリー改修の補助額を得やすいのですが、配置には注意が必要です。
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
断熱・省エネ補助金はもっと以前からあったのですが、
新型コロナウイルスの蔓延を契機として追加されるようになった項目です。
エアコンの容量によって貰える補助額が決まります。
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
制度の対象となるリフォーム瑕疵保険又は大規模修繕工事瑕疵保険への加入に対して、
1契約あたり7,000円の補助を受けることが出来ます。
以上8項目です。
裁定が微妙な部分もあって、申請して審査を受けてみないと分からない部分もあります。
まずは担当者にご相談ください。
4.補助上限額
それでは最後に補助額の上限について確認します。
1.補助対象者のところでも触れましたが、期間内に対象工事を行う人であれば
申請を出す事に条件はありません。
補助額上限の加算を受けない場合、貰える上限は20万円となります。
『こどもエコすまい』は加算無しでも上限30万円でしたので、かなり下がりました。
その他の加算条件と補助上限は下表の通りです。
補助金解説をしようとするとどうしても長くなりますね・・・。
申請に必要な書類のリストなども公開されていますが、それはまたの機会に。
まだ発表されたばかりで情報もドンドン追加されています。
お見逃しが無いよう、下リンクの公式サイトもこまめにチェックしてください。
※重要※令和5年度補正予算案に「住宅省エネ2024キャンペーン」の各事業が盛り込まれました。|住宅省エネ2023キャンペーン【公式】 (mlit.go.jp)
住宅事業部 実施積算課 玉中健太
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