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IKIGAI

2013年「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。また、「Sushi」や「Tsunami」など、世界で通用する日本語の単語になってきたんですが、最近、「IKIGAI」という言葉が世界に広がっていると聞きます。ご存知でしたでしょうか?

このきっかけは、エクトル・ガルシアさんとフランセスク・ミラージェスさん共著の2016年出版の本。これはBBCでも詳しく放送されたそう。「IKIGAI」とは、もちろん日本語の「生き甲斐」のこと。これは長寿や生活の向上と関係が深いと考えられているのだとか。日本人は生きがいの意味を深く考えることがあまりありませんが、外国にはこれに当てはまる訳語が存在しないそうで、日本の人生哲学として、そのままアルファベットで「IKIGAI」と表記して、注目を浴びているのだそうです。

彼らの研究によると生き甲斐を持っている人の方が心血管疾患にかかりにくく、死亡率も低く、長寿であるそうです。さらに、社会的な孤立をしなくて済むとの報告もあるとか。そんなわけで、大ベストセラーになったのですが、少々、この図を見てみます。

世界で広まっているベン図

①好きなこと、②世界が求めること、③稼げること、④得意なこと

これらが基準になるのですが、一つずつ意味を考えてみます。順番は変則ですが、②から始めます。

②「世界が求めること」というと壮大になるのですが、世間や世の中、また、自分の身近な人と置き換えればわかりやすい。要は人の役に立つことです。私はこれが「仕事」もしくは「働く」だと思います。昔の連ドラで「おしん」というのがありましたよね。その中で主人公のおしんが、奉公先の大女将から教えられるシーンがあります。「側(はた)の人を楽にすることを働くと言うんだよ」と。仕事=働くとは、人の役に立つことなんでしょう。

③人の役に立つだけでは、自分が生きていけません。現代の人間社会で生きていくにはお金を稼ぐことが必要になります。つまりお金という報酬を受けるための職業。これが生業ですね。

④自分の職業を繰り返しやり続けるには、同じか前以上のクオリティーで商品やサービスを提供する、つまり再現性が必要です。私はこれを技術と呼びたいと思います。

①これはシンプルに、自分の職業が好きかどうか。

給料のため、ノルマに尻を追われて頑張れば頑張るほど、人を傷つけたり不幸にしているのではないか?と、自問自答してしまう職業は苦しいです。

逆に、きちんとお金になって、つまり、生業として成り立った上で、人様の役に立ち、感謝される職業だったら。そして、その職業をやり続けるために技術を身につけて得意分野になれば。さらにその上で、その職業が自分の好きなことだったとしたら!これはもはや職業というより「生き甲斐」とよんでもいいのではないでしょうか?

「好きな事」これこそが天賦の才です。好きだからこそ、他人よりほんの少しの努力を惜しまない。他人よりも少しでも研究と工夫をやりたくなる。趣味はなんですか?と聞かれた時に、建築ですけど何か?と答えられる私はホントに幸せ者だと感謝しております。

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