今日は昨日と打って変わって、ぐっと寒くなりましたね。車のフロントガラスがカチンコチンでした。設計の築山です。
本日、1月11日は一般的に鏡開きの日とされています。鏡餅は銅鏡と呼ばれていた丸い鏡に由来します。古来、銅鏡は神様が宿るとされ、正月には年神様の依り代として鏡を模した丸い御餅を飾るようになったのです。そのため年神様がいらっしゃる松の内が明けた11日に鏡開きをします。
では、鏡餅をずーっと飾っておいたり、食べずに処分してはいけないのでしょうか? 鏡餅を飾っておくだけだと、年神様にお供え物をしたにすぎません。鏡餅は単なるお供え物というよりも、年神様が宿るところだと考えられているため、鏡餅を開くことで年神様をお送りするという意味もあります。
鏡開きは、「具足祝い」という戦国時代の武士の風習に由来するといわれています。お正月に刀や鎧、兜などの前に鏡餅を供え、それを下ろして食べる行事です。
また、鏡餅には「歯固め」という意味もあります。宮中の「歯固め」の儀式に由来し、丈夫な歯の持ち主は何でも食べられ長生きできるので、新年の健康と長寿を願い、固くなった鏡餅を食べるのです。
年神様の力が宿った鏡餅をいただくことでその力を授けてもらい、1年の一家の無病息災を願います。鏡餅は、供えて、おろし、開いて食べてこそ意義があるので、小さなかけらも残さず食べてください。
鏡開きで正月に一区切りつけるということは、その年の仕事始めをするという意味がありました。武士は具足などを納めていた櫃(ひつ)を開き、商家では蔵を開き、農村では田打ちという作業をして1年の出発としていました。剣道などの武道で、新年の道場開きに鏡開きをする(またはお汁粉などをふるまう)のは、その名残りです。
もともと武家から始まった行事なので、切腹を連想させるため包丁などの刃物で切るのは禁物で、手で割り砕くか、槌(つち)で開くようになりました。また、「割る」という表現も縁起が悪いので、末広がりを意味する「開く」を使うようになり、「鏡開き」になったのです。
【鏡開きNG行為・禁止事項】
- 鏡餅を食べずにいる ⇒必ず食べる
- 包丁などの刃物で切る ⇒手で割り砕くか槌で開く
- 「割る」と表現する ⇒「開く」と表現する
- 食べ残したり捨てたりする ⇒小さなかけらも残さず食べる
現在はあらかじめ小分けされた餅をパック詰めした鏡餅が主流になり、鏡開きはパックを開くだけになりました。鏡餅を包丁で切ってはいけませんが、今は包丁の出番すらないことも多いのではないでしょうか。
住宅事業部営業設計1課 築山