ヤマヒロが毎月発行している小冊子“はりまの杜”。播磨一円のこだわりのお店さん180店舗に置いてもらってますが、その中の一つに、福崎町の“農家のごはん ことほぎ”さんという古民家カフェがあります。このお店はコロナが始まってからもずっと予約満席で大繁盛。
“ことほぎ”さんで食べられる食事は、玄米ごはんと味噌汁、そして有機農法で作られた野菜料理。これは店主の牛尾さんのご主人が、お父さんの代から市川町で40年間有機農法にこだわる農家だから。養鶏もしておられて、これも平飼いにこだわった元気な鶏。(※ぜひ予約を入れて食べに行ってみてください!)
先日、牛尾さんのお話をお聞きしました。非常に感銘を受けたのでご紹介します。
【要旨】
・野菜に虫がつくのはなぜ?動物も死ぬと虫がわくのと同じで、野菜に元気がないから。
・虫は腐ったモノを土に還す。元気な野菜に虫はつかない。
・野菜を元気にするには、良い土を作ること。
・無農薬有機農法とは、たくさんの種類の土中細菌(微生物)を増やす土づくりが原点。
・味噌と糞が違うように、発酵と腐敗は違う。土をよくするには微生物を増やす。つまり発酵させること。
・腸と脳は繋がっており、腸は第2の脳とも言われる。
・幸福ホルモンと言われるセロトニンの90%は腸で作られる。健康で元気になるには、自律神経のある脳と
繋がる腸内を整えること。
・健康な人と難病を抱える人の腸内細菌。その全体量はあまり変わらないが、種類はすごく違う。
健康な人の腸には圧倒的に多くの種類の腸内細菌がいる。
・腸内を整えるには玄米と味噌汁が良い。
・玄米から命の素の胚芽をとったのが白米。米に白いと書くと粕(カス)となる。
逆に、米に健康とかくと糠(ヌカ)となる。だから玄米が良い。
・味噌汁は、魚や海藻、大豆で作る豆腐や味噌を入れる完全食。
・癌という漢字は、品物を山ほどたくさん食べると病になると読めるように、人工的に作った
綺麗な(必要以上に除菌された)商品ばかりを食べ続けるから病になる。
・ここ数年、コロナウイルスを避けるため、消毒やマスクをしてきて、微生物から遠ざかりすぎては
いないか?
・野菜の種も、人の命も、文化も、古民家も、人から人に伝承されて続いてきたもの。
だから、古民家カフェを作って、昔ながらの食を提供している。
牛尾さんは言われます。『根性のない子、それは根っこを食べないから。芯のない子、野菜の芯を食べないから。昔なかった病気や、精神的不安定など、良い食事を摂れば治る。これからも土づくりからの野菜を使った田舎料理をこの古民家で提供し続ける。』
変な話になりますが、うんこは何でできているのでしょうか。答えは50%が水分。10%が食べ物のカス。残りの40%が腸内細菌。
私が子供の頃、近所ではあちこちの畑の隅に野壺という肥溜めがありました。この中に人間の糞尿や山から摂ってきた腐葉土、畑の雑草などが入れられて堆肥にされます。でもすぐには使いません。5年ほど寝かします。そう、発酵させるんです。この間、発酵熱(70℃程度にまでなる)によって低酸素状態で寄生虫などは死滅。逆に細菌(微生物)はどんどん増えます。これで、すごく良い堆肥になります。
この微生物たちで育った野菜をまた人間が口にして腸内に帰ってくる。若い人たちには『ええええええ・・・いやあああああ』という感じでしょうが、“近所の山や川、畑などと我々の腸内の微生物が繋がっている”という循環こそが重要なんです。
身土不二(しんどふじ)という言葉、身と土は二つにあらずという意味。生まれ育った土地から採れた木と草と土で作った家に住み、その土地のものを食べていさえすれば、心も体も万事オッケー!ということ。これからもヤマヒロは地元材の家づくりにこだわって行きます。