東京都内の一般住宅に太陽光発電の設備を設置することに関して、都の有識者による審議会が、新築の場合は一定の条件のもとで義務化するとした中間の案をまとめました。
都は、再生可能エネルギーを活用できる建物を増やすための取り組みについて有識者の審議会で議論していて24日、中間の案がまとまりました。
案では、一定の条件のもと、都内で新築される建物に太陽光発電の設備を設置するよう住宅メーカーなどに義務づける新たな制度を設けるなどとしています。
義務づけの対象は、大規模なマンションを除く戸建て住宅などについては、延べ床面積で年間2万平方メートル以上を都内で供給する住宅メーカーなどの事業者で、およそ50社が対象となる見込みだということです。
都によりますと、このおよそ50社で、都内で1年間に新築される4万棟余りの半数程度を供給しているということです。
新たな制度では、対象の事業者ごとに日当たりなどを踏まえて義務づける発電の容量を決めるということです。
都によりますと、事業者からは評価する声がある一方で、住宅を購入した人への支援が必要だとか、設置の急増による材料の不足や施工の遅れを懸念する指摘も出ているということです。
都は、今後、都民からも意見を聞くなどして具体的な内容の検討を進めることにしています。(NHKより)
東京都が新築建物に太陽光パネルの設置を義務付けたいのは、2050年までにCO2排出の実質0を目指す「ゼロエミッション」を実現するためなのですが、個人的には同じ義務化するのであれば太陽光パネルの設置ではなく建物の省エネ化をヨーロッパ並みに強化した方がよいのではないかと思います。
そもそも今回の義務化では発注者には義務がなく、都の方も発注者側が強く拒否する場合も盛り込んで供給量の85%と余裕を持たせています。
太陽光パネルの設置費用は年々下がっては来ていますが、発電量1KWhあたり20数万円と決して手軽に導入できるものでもなく設置責任を負う施工業者は都のノルマ達成が厳しくなれば費用負担などのサービス化でむりやり太陽光パネルを発注者に押しつけるようなことも起こりえます。
さらに、太陽光パネルは今、大量廃棄問題を抱えています。いつかは使えなくなるものを廃棄のことを考慮せず新築建物に義務化で設置させるのは、どうしても疑問に思います。
東京都の義務化が全国に広がらなければいいのですが・・・。
住宅事業部営業設計1課 築山