こんにちは、設計の玉中です。
昨日、8月4日は語呂合わせで「箸の日」とされています。
私は卒論のテーマに『割り箸』を使い、
木材製品である割り箸が地域の中でどのような循環をしているかという研究テーマにしていました。
割り箸をリサイクルして再商品化したり、
製造過程で障がい者支援などの福祉的な社会貢献を取り入れたりしながら
ただ使って捨てるだけではない割り箸の流通が地域社会に影響を与えているのか、という内容でした。
割り箸の製造段階と、使った後のリサイクルが2種類、合計3つの事例を取り上げたのですが、
中でも1番面白いと思ったのが、『割り箸炭』でした。
京都府内の事例なのですが、
①大学や宿泊施設内のレストランなどで使用された割り箸を収集
②割り箸をNPO法人が炭化処理
③知的障がい者福祉施設で梱包などの雑作業
④①の施設で割り箸炭として販売
というサイクルが出来上がっていました。
ゴミを減らすリサイクル、障がい者の職業訓練という2つの社会的意義を持つ
活動でした。
製造された割り箸炭は土壌改良剤や脱臭炭として販売されており、
元々が細長い割り箸なので
「好きな長さに折れば、狭いスペースにも置ける」
という点が評価されているそうです。
個人的に一番オススメしたいポイントは、
「割り箸が多少汚くても問題無い」ということです。
割り箸のリサイクルと言うと、
大手製紙メーカーが紙へリサイクルしたり、
合板のメーカーがチップに砕いてパーティクルボードにリサイクルする活動をしているのですが、
汚れたままだと溶かして紙の元にしたりする際に不具合があるため、
一度洗浄しないといけません。
ゴミを減らすためにリサイクルするのに、洗浄して汚れた排水を出すのでは環境に良いのか悪いのかわかりません。
その点炭にするのは、箸に残っているでんぷんなどの有機物も一緒に炭化する上、
高温殺菌する過程があるということなので、多少の汚れならばそのままで大丈夫なのです。
紙やボードと違って割り箸の形がそのままというのも再利用感があって良いですね笑
小さくても自分に出来ることから無理なく実施するのが環境活動の第一歩。
それを地域一丸となって取り組んでいるのは素敵なことだなと思います。
実施積算課 玉中健太